タヴリダ・ソビエト社会主義共和国

タヴリダ・ソビエト社会主義共和国

タヴリダ・ソビエト社会主義共和国（ロシア語: Советская Социалистическая Республика Тавриды、ウクライナ語: Радянська Соціалістична Республіка Тавриди）は、クリミア半島とその周辺地域に、1918年のごく短期間存在したソビエト政権です。この政権は、現在のクリミア自治共和国と、ウクライナ南部の一部地域に相当する、旧ロシア帝国時代のタヴリダ県に設立されました。

歴史的背景

1917年のロシア革命（十月革命）後、クリミアではクリミア・タタール民族による自治の動きが活発化し、1917年12月13日にはクリミア人民共和国が宣言されました。しかし、この共和国は独立を維持することができず、1918年1月にはボリシェビキ勢力の侵攻を受けました。ロシア革命後の混乱期において、旧ロシア帝国領各地で同様の動きが見られ、様々な新国家が誕生しましたが、多くは短命に終わりました。

タヴリダSSRの成立

1918年3月19日から21日にかけて、シンフェローポリで開催されたタヴリダ中央執行委員会の布告により、タヴリダ・ソビエト社会主義共和国が正式に成立しました。タヴリダSSRの領域は、クリミア半島全域と、その北部に隣接するウクライナの一部地域を含んでいました。この地域は、ドネツク＝クリヴォーイ・ローク・ソビエト共和国も領有を主張しており、その支配を巡って緊張が高まっていました。

ドイツ軍の侵攻と崩壊

タヴリダSSRの成立から間もなく、ドイツ帝国の支援を受けたウクライナ人民共和国の軍隊がクリミアに侵攻を開始しました。1918年4月末には、タヴリダSSRの中央執行委員会や地方人民委員会の主要メンバー、さらには地元のボリシェビキ議長であったヤン・タルワツキーなどが、ドイツ軍によってアルシュタまで侵攻した際に逮捕され、銃殺されました。この弾圧により、タヴリダSSRは事実上崩壊し、1918年4月30日には完全に廃止されました。

その後

ドイツ軍の侵攻後、クリミアにはドイツの保護下で新たな地方政府が設立されました。当初はマチェイ・スルキエヴィチが、その後はソロモン・クリムが政権を担いました。しかし、ロシア内戦で白軍が敗北した後、1920年代後半にはソビエト政権が確立し、かつてのタヴリダSSRの領域は、ソビエト・ロシアのクリミア自治ソビエト社会主義共和国（クリミアASSR）とウクライナ・ソビエト社会主義共和国に分割されました。

タヴリダ・ソビエト社会主義共和国は、短期間しか存在しませんでしたが、ロシア内戦という激動の時代における、複雑な政治状況を象徴する出来事の一つです。この地域はその後、ソビエト連邦の一部となり、後にウクライナとロシアの間で領有権を巡る論争が起こるなど、その歴史的遺産は今日まで影響を及ぼしています。

関連項目

ロシア内戦

脚注

この記述は、以下の情報に基づいています。

Wikipedia タヴリダ・ソビエト社会主義共和国

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