ダイジョ

ダイジョ（大薯）とは

ダイジョ（大薯、ダイショ）は、ヤムイモ（ヤマノイモ目ヤマノイモ科ヤマノイモ属の食用種）の一種です。学名はDioscorea alata。地域によってタネイモ、シンショ、デンショ、コウシャイモ、オキナワヤマイモ、タイワンヤマイモなど様々な呼び名があります。フィリピンではウベ(ube)、英語圏ではパープルヤム(purple yam)、ウォーターヤム(water yam)とも呼ばれます。奄美方言ではこうしゃまんと呼ばれています。

概要

ダイジョはアジアからオセアニアの熱帯地域で広く栽培されているヤマノイモ科のヤムイモの一種です。「ヤマイモ」とも呼ばれるヤマノイモ（D. japonica）とは同属別種です。しかし、沖縄県で開催されるイモの重さを競う「やまいも勝負（スーブ）」の大会でいう「ヤマイモ」はダイジョを指します。

芋の形状は扇状と棒状があります。芋の肉色は紫、赤紫、白色など様々です。紫色の系統のものはベニヤマイモ（紅山芋）やベニイモ（紅芋）とも呼ばれます。ただし、標準和名でいうムラサキイモはサツマイモ（ナス目ヒルガオ科サツマイモ属サツマイモ。学名 Ipomoea batatas）の紫色の品種であり、ダイジョとは近縁ではありません。

ナガイモ（D. polystachya）と比較すると、水分が少なく、粘りが強いのが特徴です。ショヨ（薯蕷）と混同されることがありますが、ショヨはナガイモのことであり、ダイジョとは同属別種です。

産地・栽培

ダイジョは熱帯アジアが原産です。世界的にはヤム類の中でも主要な栽培種であり、ヤムイモの世界生産高の大部分をダイジョが占めています。

日本には台湾から導入され、沖縄県のほか、奄美群島、九州地方の南部などで主に栽培されています。

利用

ダイジョは栽培地の土地柄、沖縄料理や沖縄菓子の食材としてよく知られています。沖縄県では正月料理などに用いられます。また、奄美大島南部では三献と呼ばれる正月料理の雑煮に相当する椀物に使われます。

広島県福山市では独自ブランドの「ダイジョ福芋」が特産品となっており、これを使用した芋焼酎「鞆ノ津 黒姫」が製造されています。また、鹿児島県ではかるかん饅頭の皮に利用されています。

ウベ（Ube）は紫色で粘り気のあるフレーバーとしてアイスクリームに使われることがあります。フィリピンではジャムやハロハロのトッピングとしても人気です。

また、ダイジョの葉などは家畜の飼料としても利用されています。

関連項目

* ムラサキイモ

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