ダイダロス (スターゲイト)

ダイダロス級戦艦

概要

ダイダロス級戦艦は、SFテレビドラマ『スターゲイト SG-1』および『スターゲイトアトランティス』において、地球製の主力宇宙戦艦として登場します。合衆国空軍によって運用され、型番はBC-304、分類としては巡洋戦艦に位置づけられます。その名称は、ギリシャ神話に登場し、翼を用いて脱獄を果たした伝説的な工匠、ダイダロスにちなんで名付けられました。この艦級は、先行して開発・運用された宇宙戦艦プロメテウス（X-303/BC-303）から得られた運用経験や教訓を設計に反映しており、その完成度の高さから地球の主力戦艦として複数隻が建造・量産されることになりました。

設計と能力

ダイダロス級は、プロメテウスと比較して、防御力と機動性において優れた性能を発揮します。初期の設計段階では、技術提供元であるアスガード側が強力な兵器の提供を渋ったため、火力面ではやや貧弱という課題を抱えていました。しかし、後にアスガードからプラズマビーム兵器の供与を受け、これらを搭載することで火力も大幅に強化されました。また、プロメテウスで比較的大きかった艦橋部分が小型化されるなど、全体的に洗練された設計となっています。アスガード製の転送ビームや高性能なハイパードライブといった先進技術を最大限に引き出すため、一時的にアスガードの技術者が本艦に搭乗し、運用を支援したこともあります。外見上は同型艦同士の区別が困難ですが、艦橋内部には艦名が記された銘板が設置されています。

諸元

クラス: 巡洋戦艦
大きさ: ゴアウルドのハタク級マザーシップに匹敵する規模
主要装備: アスガード転送ビーム、転送リング
艦載機: F-302戦闘機 16機
兵装:
レールガン 32門
ミサイルVLS 128セル（通常ミサイル、ナクアダ核弾頭ミサイルを搭載可能）
アスガード製プラズマビーム砲 4門（後に増設）
防御: アスガードから提供されたシールドシステム、トリニウム製船体
推進:
亜光速エンジン（大型2基、小型・中型6基、後進用小型2基）
アスガード製ハイパードライブエンジン 4基
* 動力源: ナクアダジェネレータ、ゼロ・ポイント・モジュール(ZPM)（設計上は搭載可能だが、ZPM自体の希少性からオデッセイのみが常時搭載する描写がある）

主な同型艦

ダイダロス級は複数隻が建造され、地球の宇宙防衛において重要な役割を果たしました。その多くが合衆国空軍によって運用されていますが、一部例外も存在します。

ダイダロス (U.S.A.F. Daedalus)

本艦級のネームシップ。主にペガサス銀河における作戦任務を担当し、アトランティス基地への補給やレイスとの戦闘で活躍しました。艦長はスティーブン・コールドウェル大佐。

オデッセイ (U.S.A.F. Odyssey)

ダイダロス級の2番艦。叙事詩『オデュッセイア』に登場する英雄に由来する名称を持ちます。プロメテウスが撃沈された後は、天の川銀河における地球防衛の主力を担うこととなりました。シーズン10終盤には、アスガードコアの搭載やステルス装置の実装など、独自に大規模な改修が施され、極めて高い性能を持つに至りました。初代艦長ポール・エマーソン大佐、その後イアン・ディビットソン大佐が指揮を執りました。

コロレフ (Р.К.В. Королёв, R.F.S. Korolev)

3番艦として建造されたこの艦は、ロシアの著名なロケット技術者セルゲイ・コロリョフにちなんで名付けられました。スターゲイトの運用権を巡る国際的な交渉の結果、ロシア宇宙軍が運用することになった唯一のダイダロス級戦艦です。チェホフ大佐が艦長を務めましたが、シーズン9のオーライとの戦闘でオデッセイと共に参加した際、敵バトルシップの攻撃により撃沈され、多くの乗員が失われました。

アポロ (U.S.A.F. Apollo)

4番艦にあたるアポロは、ギリシャ神話の太陽神や、人類の月面着陸計画であるアポロ計画から名を得たと推測されます。アブラハム・エリス大佐が艦長を務め、主にペガサス銀河での対レイス戦やアトランティス支援任務に従事しました。強力なマーク9ミサイルを多用した作戦や、アスガード製ビーム砲でオーロラ級戦艦を撃沈する戦果を挙げる一方、レイスのスーパーハイブシップとの戦闘では甚大な損傷を負うなど、厳しい戦いを経験しました。

ジェネラル・ハモンド (U.S.A.F. General Hammond)

スターゲイトユニバースで登場する最新のダイダロス級戦艦です。建造当初はフェニックスという艦名でしたが、シリーズにおいて重要な役割を果たしたジョージ・ハモンド将軍の死を悼み、改名されました。サマンサ・カーター大佐が艦長を務め、イカロス基地への輸送やその防衛任務にあたりました。スピンオフ小説では、この任務に先立つ戦闘で既にハイパードライブや主要兵装に損傷を負っていたことが描かれています。

サン・ズー (Sun Tzu)

テレビシリーズ本編では名前のみ言及された、中国が所有するダイダロス級と推測される艦です。『孫子』に由来すると考えられています。スーパーハイブシップとの戦闘に参加し、大破して乗員はアポロに収容されました。