ダイハツ・ミラジーノ

ミラジーノ：クラシックな魅力と進化の歴史

ダイハツ工業がかつて製造・販売していた軽自動車「ミラジーノ」は、そのクラシカルなデザインと高い人気で知られています。本稿では、初代と2代目、そして欧州で販売された「トレヴィス」について、詳細な歴史と特徴を解説します。

初代ミラジーノ(L700S/L710S型): 1999年-2004年

1999年3月、4代目ミラをベースに、クラシックスタイルの軽自動車として登場しました。デザインモチーフは、1960年代にダイハツが販売していたコンパーノ前期型から着想を得ています。

エンジンとグレード

初代ミラジーノは、EF-VE型3気筒DOHC12バルブエンジン搭載の標準モデルと、EF-DET型3気筒DOHC12バルブインタークーラーターボエンジン搭載のターボモデルの2グレードが用意されました。トランスミッションは、5速MT、4速AT、3速ATの3種類が選択可能でした。駆動方式は2WDと4WDがラインナップされ、ターボモデルは4WDにも対応していました。

デザインと特徴

木目調のパネルやシート、レトロ調のフロントデザインが特徴で、当時の軽自動車市場では異彩を放っていました。業務用車としての採用例もあり、ダイハツチャレンジカップのレースでも活躍しました。

モデルライフ

発売後、安全装備の追加やマイナーチェンジを繰り返しました。2000年には特別仕様車「ジーノSエディション」が登場し、助手席エアバッグやウッド調インテリアなどを装備しました。2001年には「ミニライトスペシャル」とコラボレーションしたモデルも発売されました。2002年には、1000ccエンジンを搭載した「ジーノ1000」も追加されました。2004年10月に生産終了、翌11月に販売終了となりました。

2代目ミラジーノ(L650S/L660S型): 2004年-2009年

2004年11月、初代からデザインを一新しフルモデルチェンジを果たしました。初代とは異なり、ミラとボディを共用しないオリジナルデザインとなり、シャシーも独自のものとなりました。

デザインとパッケージング

「新上質感をプラスしたクラシックとモダンの融合」をテーマに、より洗練されたクラシカルなデザインを採用しました。インテリアも高級感を追求し、インパネデザインは同時期発売のムーヴラテと共通点が見られます。Aピラーを立て、Cピラーを寝かせることで、クラシカルなシルエットを強調しつつ、前席の頭上空間を広げ、乗降性を向上させています。

エンジンとグレード

エンジンはEF-VE型自然吸気エンジンと4速ATの組み合わせに一本化されました。環境性能も向上し、2WD車は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル（☆☆☆☆）」認定を取得しています。グレードは「L」、「X」、「X Limited」、「MINILITE」の4種類が設定されました。後に特別仕様車「プレミアムX」や「プレミアムL」も登場しました。

欧州仕様車「トレヴィス」

2006年のジュネーブモーターショーでは、欧州仕様車「トレヴィス（Trevis）」が発表されました。1000ccのEJ-VE型エンジンを搭載し、欧州市場でも販売されました。

生産終了

2008年12月にオーダーストップ、2009年4月に販売終了となりました。後継車種として、ミラココアが位置づけられています。

まとめ

ミラジーノは、その独特のレトロなデザインと高い品質で、多くのファンを獲得しました。初代と2代目、そして欧州仕様車のトレヴィスは、それぞれ異なる魅力を持ちながら、ダイハツの技術力とデザインセンスの高さを示す存在でした。ミラココアへと受け継がれたそのデザイン哲学は、現在もダイハツの車両デザインに影響を与えていると言えるでしょう。

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