ダイムラー・ベンツ DB 604

DB 604 航空用エンジン

DB 604は、ダイムラー・ベンツによって開発された24気筒の航空用エンジンです。このエンジンは、従来のデザインの枠を超えた革新性で知られていますが、残念ながら初期のテスト段階を超えることはなく、1942年9月にその開発は中止されました。

設計と特徴

このエンジンの最大の特徴は、そのシリンダー配置にあります。DB 604は、6気筒ずつ4列に配置されたX型の構造を持っています。これは、ダイムラー・ベンツの他の航空エンジンの進化系ではなく、全く新しい設計によって実現されました。実際には、ボアとストロークが135 mm x 135 mmのスクエア型という特異な形状をしており、その結果、最大3,200rpmでの運転が可能になっています。

初期のテストは1939年に行われ、その際には1,725 kW（2,350 hp）の出力を記録しました。このテストで得られた成果を基に、さらなる改良が施されDB 604AとDB 604Bが開発されました。両者の主な違いは、クランクシャフトの回転方向にありました。どちらのバージョンも2速スーパーチャージャーが搭載されており、テストでは1,835 kW（2,500 hp）の出力を実現しました。

開発の中止

DB 604は期待される性能を示しましたが、1942年9月にドイツ航空省によって開発が中止されました。その理由については明確には記されていませんが、戦争の状況や他の優先順位が影響したと推測されます。

現存するDB 604

現在、DB 604の実物はドイツのヘルメスカイルにあるFlugausstellung L.+ P. Junior博物館に展示されています。このエンジンは、航空工学の歴史における重要な一部であり、その設計や技術の革新性が評価されています。

要目

• - タイプ: 液冷24気筒 X型 (6気筒 4列)
• - ボア×ストローク: 135 mm×135 mm
• - 排気量: 46.38 L (2,830 in³)
• - 乾燥重量: 1,080 kg (2,379 lb)
• - 圧縮比: 7.0 : 1
• - 馬力: 1,835 kW (2,500 hp) at 3,200 rpm at 5,100 m (16,732 ft)
• - 排気量比出力: 25.3 kW/L (0.9 hp/in³)
• - 馬力重量比: 0.59 kW/kg (0.95 hp/lb)

参考文献と関連項目

DB 604に関連する情報やご参考文献については、航空用エンジンの一覧やダイムラー・ベンツの他のエンジンについて調査することをおすすめします。特に、ロールス・ロイス ヴァルチャーなど他の航空用エンジンとの比較が興味深いでしょう。また、写真などのビジュアルリソースも外部リンクからアクセスできます。

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