ダイヤモンド地区

ダイヤモンド地区

大阪市北区梅田一丁目に広がる一帯は、「ダイヤモンド地区」という通称で広く知られています。大阪駅の南側、阪神大阪梅田駅（地下駅）のすぐ南側に位置し、数多くの高層ビルや大規模な建築物が林立する、梅田を代表する都心景観を形成しています。

名称の由来

この地区がダイヤモンド地区と呼ばれるようになった背景には、二つの理由があります。一つは、四つ橋筋、御堂筋、曽根崎通という主要な道路に囲まれた区画が、上空から見ると五角形をしており、ダイヤモンドの形状を連想させることから名付けられたという説です。もう一つは、再開発が進行していた時期に、大阪で最も地価が高い場所であったことに由来するという説があります。実際に、この地区は1983年から1989年、そして2007年から2012年と、二度にわたって大阪における地価最高地点を記録しています。

歴史的変遷

ダイヤモンド地区の原型となる五角形の区画は、明治末期に大阪市電の敷設（南北線、南北線支線、福島曽根崎線）に伴って形成されました。当時は木造の低層建築が密集するエリアでした。

戦前から北半部分では区画整理が進められ、1940年には現在の阪神百貨店の前身が開業しました。さらに戦後間もない1953年には、当時の日本で最も高い建築物（地上12階建て）であった第一生命ビルが竣工するなど、早期から開発が進んだ地域です。

しかし、それ以外の場所や、特に南半部分では、区画整理が手付かずの状態が長く続きました。戦後の混乱期に発生した闇市に起因する不法占拠が長期にわたり、再開発の着手が大幅に遅れることとなりました。このため、地区全体の本格的な再開発が完了し、現在の高層ビル群が形成されるのは1980年代まで待つことになります。

地区の構造と特徴

ダイヤモンド地区の大きな特徴の一つは、中小規模の雑居ビルがほとんど存在せず、地区を構成する主要なビル群が、地下街によって緊密に連結されている点です。これにより、地上の道路を横断することなく、異なるビル間や駅との間を快適に移動することが可能です。

この地区の真下には、広大な地下街「ディアモール大阪」が広がっており、ショッピングや飲食の拠点としても機能しています。その他にも、「ホワイティうめだ」や「ドージマ地下センター」といった周辺の主要な地下街とも接続しており、梅田地区全体の巨大な地下ネットワークの一部を形成しています。

主要な施設

ダイヤモンド地区内には、大阪のビジネスや商業、文化の中心を担う様々な施設が集積しています。

大阪梅田ツインタワーズ・サウス
大阪第一生命ビル
ヒルトン大阪
ヒルトンプラザ大阪（ヒルトンプラザイースト）
梅田DTタワー
東京建物梅田ビル（旧渡辺リクルートビル）
E-MA
T・ジョイ梅田
JRE梅田スクエアビル
大阪駅前第1ビル
大阪駅前第2ビル
大阪駅前第3ビル
* 大阪駅前第4ビル

これらのビルには、企業のオフィスや商業施設、ホテル、映画館など、多様な機能が集約されています。

交通アクセス

ダイヤモンド地区は、梅田地区の中でも特に交通の結節点に近い便利な場所に位置しています。

地区の四方を囲むように地下駅が配置されており、東側にはOsaka Metro谷町線の東梅田駅、南側にはJR東西線の北新地駅、西側にはOsaka Metro四つ橋線の西梅田駅、北側には阪神電気鉄道の大阪梅田駅があります。これらの駅はすべて地下街で直接、または間接的にダイヤモンド地区のビルと繋がっています。

また、地区の北側に隣接して、JR西日本の大阪駅、Osaka Metro御堂筋線の梅田駅、阪急電鉄の大阪梅田駅といった、関西地方の主要なターミナル駅が位置しており、これらの駅からも容易にアクセス可能です。

多角形の形状と地価の高さに由来するその名の通り、ダイヤモンド地区は大阪・梅田の発展を象徴する重要なエリアとして、常に活気に満ちています。

もう一度検索