ダイヤルキューネットワーク

ダイヤルキューネットワークの歴史と影響

概要

株式会社ダイヤルキューネットワークは、1989年から1991年まで活動した情報通信会社で、当時のNTTが提供したダイヤルQ2サービスを基盤にしたコンテンツプロバイダーとして知られています。この会社は、大阪のベンチャー企業である株式会社リョーマのメンバーや現役の大学生によって設立されました。

設立からわずか1年で、年商は10億円を超え、社員数も60名を超えるまでに成長しました。その急成長は、多くのメディアによって取り上げられ、当時の注目を集めました。ダイヤルキューネットワークは、音声情報サービスのQネットセンターや、FAXを利用した画像情報サービスのFAX Qネットセンター、混線電話を利用したテレホンパーティ、そしてオープン型の伝言交換サービス「伝言ボーイ」といった多様な課金サービスを運営していました。

社会問題化と経営の悪化

しかし、短期間での急成長の裏には、厳しい問題も潜んでいました。多くのダイヤルQ2サービスが青少年による不健全な性的行為の温床となり、悪質な事業者が乱立する事態になりました。このため、利用者に対する高額請求が社会問題として取り上げられるようになり、国会でも議論されることになりました。

その後、NTTによる厳しい事業者向け規制が発表され、ダイヤルキューネットワークの経営状況は急激に悪化しました。1991年4月には事実上の破綻を迎え、その後、徳間書店が中心となった受け皿法人に全事業が譲渡されることとなりました。これは、学生企業ブームの影響を感じさせながらも、企業としての成熟と成長が求められる時代のうねりを象徴しています。

沿革

ダイヤルキューネットワークは1989年9月に東京都品川区で設立されました。設立当初、ダイヤルQ2サービス用の回線を東京で募集した際、創業メンバーは全国にいる大学生を活用し、全国で初めてのダイヤルQ2回線の多くを取得することに成功しました。

その後、同年12月にはQネットセンター東京とテレホンパーティがサービスイン。1990年3月にはQネットセンター大阪が開設され、続いて名古屋、福岡、北海道などへも展開しました。また、1990年11月にはFAX Qネットセンターを開設し、幅広いサービス展開を図ります。しかし、1991年の経営破綻により、全事業は6月に徳間インテリジェンスネットワークへと譲渡され、名実ともにその活動を終えました。

経歴を持つ役員

ダイヤルキューネットワークには、将来的に成功を収めた多くの著名な経営者が在籍していました。代表的な役員には、玉置真理（ザッパラス代表取締役会長兼社長）、真田哲弥（KLab取締役会長）、西山裕之（GMOインターネットグループ取締役副社長）、山下伸一郎（元サイバードホールディングス執行役員）などが含まれます。彼らはその後、各自の事業においても成功し、ダイヤルキューネットワークは次世代のIT起業家を輩出した企業としての評価を得ています。

結果として、ダイヤルキューネットワークの存在は、情報通信業界の進化に大きな影響を与えるとともに、ビジネスモデルの変革や学生主体の企業活動の重要性を再認識させるものでした。

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