ダインコープ・インターナショナル

ダインコープ・インターナショナル (DynCorp International)

ダインコープ・インターナショナルは、アメリカ合衆国に本拠を置く、1946年設立の民間軍事会社です。航空機メンテナンス業も行っており、紛争地域など世界各地で軍事サービスを提供しています。

歴史

1946年にカリフォルニア・イースタン・エアウェイズ(California Eastern Airways)として創業しました。朝鮮戦争において、第二次世界大戦の退役パイロットによる支援業務を行い、その名を広めます。1962年にはダイナレクション・コーポレーション(Dynalectron Corporation)に改名し、1987年に現在のダインコープという名義になりました。

業務内容

主な業務内容は以下の通りです。

航空支援（近接航空支援）
開発・整備業務

活動実績

ダインコープは、世界各地で様々な活動を行っています。

朝鮮半島: 朝鮮戦争において、航空支援、近接航空支援を提供しました。第二次世界大戦の退役パイロットをリクルートし、主にアメリカ合衆国軍を支援しました。
東南アジア: ベトナム戦争において、航空支援、近接航空支援を提供しました。枯葉剤の空中散布や、クラスター爆弾、ナパーム弾などを使用目的とした戦闘用航空機を運用しました。
ラテンアメリカ: コロンビア政府が麻薬密売組織を解体する際、枯葉剤を空中散布するためのヘリコプターを運用しました。
中東および中央アジア: イラクやアフガニスタンにおいて、航空支援、近接航空支援、警備を行いました。現地の治安部隊の訓練指導や、戦闘用航空機の運用などを担当しました。

法的問題とスキャンダル

ダインコープは、過去にいくつかの法的問題やスキャンダルに関与しています。

人身売買・性的虐待: 1999年、ダインコープの社員が13歳、14歳前後の少女の人身売買・性的虐待に関与していたことが判明し、大きなスキャンダルとなりました。
アフガニスタンでの問題: 警備要員が民間人へ発砲する事件が発生しました。また、アフガニスタン警察を訓練する際に、指揮系統が不明確であったり、訓練プログラムが実戦的でなかったという指摘がありました。ただし、ダインコープ側には、訓練時に不適格と判断した警官を解雇する権限がなかったという事情もありました。
イラクでの問題: イラクでの業務において、整備要員として経験のない者達を雇用していたことが問題視されました。

同業の企業

ブラックウォーターUSA (現：Academi)

ダインコープ・インターナショナルは、その活動内容と過去のスキャンダルから、常に議論の的となる企業です。紛争地での活動は、現地の治安維持に貢献する一方で、人道的な問題を引き起こす可能性も孕んでいます。今後、同社がどのように活動していくのか、国際社会の監視が必要です。

もう一度検索