ダガーラ

ダガーラ

ダガーラは、東宝の特撮映画『モスラ2 海底の大決戦』で登場する架空の怪獣です。このキャラクターは、古代のニライカナイ文明の科学者によって、高度な遺伝子操作によって生み出されました。その目的は、海洋汚染を改善するために設計された生体海洋浄化システムとして、古代の海洋生物のDNAと毒を摂取するバクテリアの遺伝子を合成することでした。

しかし、ダガーラの体内で取り込まれた海洋汚染物質は、濃縮されてベーレムという生物に変換され、最終的に掃除効果を発揮せず、逆に汚染を拡散してしまう結果となりました。このため、ニライカナイ文明は滅びの運命をたどりました。数千年後の現代、化学物質の影響で再度海洋汚染が進行したことから、ダガーラは再びその活動を始めます。

ダガーラは極めて凶暴であり、原子力潜水艦を破壊して石垣島に上陸し、ニライカナイの遺跡への脅威を察知してその破壊を試みます。彼は水棲に適した形態を持ち、前足には水かき、後脚は鰭になっている特異なデザインを持っています。また、ダガーラは空中での敵の攻撃にも対抗するために、自己進化を果たし、背面の翼を巨大化させることによって、飛行能力を向上させています。彼の攻撃手段の一つには、口から吐き出される猛毒の光線があり、この攻撃は非常に強力です。

また、ダガーラは知能も高く、水中戦を得意としています。モスラを海へ引きずり込んで激突させる戦法を用いて、彼女を絶体絶命に追い込むことも可能です。ダガーラの動作も多岐にわたり、特にベーレムを排出しながら戦います。彼の最終形態では、両肩から吐き出すベーレムの数が増加し、射撃精度や射程も大幅に向上します。

ダガーラは映画の中で複数の武器を使用します。その一つは「輝雷襲撃波」と呼ばれるもので、頭部の角から放電し、破壊光線を吐き出します。他にも「轟渦赤猛毒弾」や「超重龍爆炎」などがあり、さまざまな形で戦闘に役立てられています。

このキャラクターの創作経緯は、脚本家末谷真澄の手によるもので、名称はアッシリア神話のダゴンに由来しています。彼自身は、自然を守る存在であるモスラとは対照的に、人間の都合で作られたダガーラが暴走した設定に意味があると思っていたと伝えられています。また、製作の富山省吾は、ダガーラを人類の過ちの象徴として位置づけています。

デザインは吉田穣が担当し、最初は様々な海洋生物のモチーフが考えられましたが、最終的には東宝の伝統的キャラクターを踏襲する形で仕上げられました。ダガーラの体形は爬虫類を意識しつつ、全体的には魚をイメージしたシルエットが特徴です。

映画の撮影では、スーツアクターが水中での演技を求められ、特殊な撮影技術が使用されました。ダガーラとモスラの戦いは、他の特撮作品との連携が飛躍的に進むことが期待されている中で創造されました。さらに、ダガーラはマンガ版でも登場し、その設定やストーリーが追加されています。

最終的に、ダガーラはモスラとの壮絶な戦いの末、ベーレム発生器官が破壊され、力尽きて爆発して消え去る運命を辿ることになります。ダガーラは多くの要素を持ち合わせたキャラクターであり、特撮映画の中でも特に印象的な存在となるでしょう。

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