ダジー・ヴァンス

クラレンス・アーサー・「ダジー」・ヴァンス

クラレンス・アーサー・ヴァンス（通称「ダジー」）は、1891年3月4日にアイオワ州オリエントで生まれたアメリカのプロ野球選手で、主に1920年代に活躍した投手です。彼は右投げ右打ちで、特にその剛速球とカーブが印象的でした。ヴァンスは長いキャリアの中で数々の記録を打ち立て、特に奪三振においては7年連続でナショナルリーグの最多奪三振の称号を得るなど、その存在感を示しました。

経歴の始まり

ヴァンスは1915年にネブラスカ州リーグのヘースティングス球団から仕事を始め、すぐにパイレーツに入団します。しかし、彼のメジャーリーグでのキャリアは順調ではありませんでした。パイレーツではわずかに1試合の登板後、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍。ヤンキースでは8試合に出場したものの、勝利は上げられず、成績は0勝3敗に終わりました。その後も長い間、彼はマイナーリーグで苦労し続けることになります。

ブルックリン・ロビンズ時代

1922年、31歳の時にニューオーリンズからブルックリン・ロビンズ（現在のロサンゼルス・ドジャース）に入団します。その年は36試合に登板し、18勝12敗の成績を残すとともに、リーグ最多の奪三振数を記録します。以降、彼の才能は開花し、1922年から1928年までの7年間、リーグ最多奪三振の記録を継続しました。

1924年には28勝6敗、防御率2.16、奪三振262という素晴らしい成績を収め、投手三冠を達成します。この年の活躍により、最優秀選手にも選出されました。続く1925年には22勝9敗を記録し、ノーヒットノーランを達成するなど、その活躍は目を見張るものでした。

キャリアの後半

彼は41歳までブルックリンで先発投手としての役割を果たし、1933年にはセントルイス・カージナルスへ移籍しました。この年は6勝2敗を記録しましたが、徐々に衰えが見えていきました。彼は1935年に引退し、44歳の時に現役生活を終えました。

殿堂入りと遺産

ダジー・ヴァンスはその後、1955年に記者投票によってアメリカ野球殿堂に選ばれ、彼の野球における功績は高く評価されました。彼は1961年2月16日にフロリダ州でこの世を去りました。

投手としてのスタイル

ヴァンスは主にハイファストボールとカーブを使い分け、オーバーハンドに近い投球フォームを持っていました。そのフォームや球種の効果で多くの三振を奪うことができ、彼はその時代の投手として非常に威圧的な存在であり続けました。

主な記録と受賞歴

• - ナショナルリーグMVP：1回（1924年）
• - 投手三冠：1回（1924年）
• - 最多勝利：2回（1924年、1925年）
• - 最優秀防御率：3回（1924年、1928年、1930年）
• - 最多奪三振：7回（1922年 - 1928年）
• - ノーヒットノーラン：1回（1925年9月13日）

ダジー・ヴァンスはその卓越した投球技術と記録で、いまだ多くの野球ファンに記憶されている伝説的な選手の一人です。

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