ダニエラ・シリバシュ

ダニエラ・シリバシュ：体操界の伝説

ダニエラ・シリバシュ（Daniela Silivaș）は、1972年5月9日ルーマニアのデヴァ出身の女子体操競技選手です。卓越した技術と優雅さで、1980年代後半の体操界を彩りました。

主要な実績

1987年ロッテルダム世界体操選手権
団体総合優勝
個人総合3位
種目別床運動優勝
1988年ソウルオリンピック
団体総合銀メダル
個人総合銀メダル
種目別床運動金メダル
種目別段違い平行棒金メダル
種目別平均台金メダル
1989年シュトゥットガルト世界体操選手権
団体総合2位
種目別段違い平行棒優勝
種目別平均台優勝
* 種目別床運動優勝

プロフィール

6歳で体操を始めたシリバシュは、早くからその才能を発揮しました。1981年にはベラ・カロリーの指導を短期間受け、1980年から1982年までルーマニアのジュニア選手権で優勝。1984年のヨーロッパジュニア選手権では平均台で金メダル、段違い平行棒と床で銀メダルを獲得しました。

年齢詐称問題

1985年の世界体操競技選手権では、ルーマニア体操協会が彼女の年齢を1972年から1970年に改ざんし出場。当時13歳だったシリバシュは、15歳として大会に参加しました。この事実は、2002年に彼女自身が告白するまで公にはなされませんでした。

この大会で彼女は平均台で10点満点を出し、前年のオリンピックチャンピオンであるエカテリーナ・サボーを破り金メダルを獲得しました。

代表チームのリーダーへ

1986年の体操競技ワールドカップでは、ソ連のエレーナ・シュシュノワに次いで2位となり、ルーマニア代表チームのリーダーとしての地位を確立しました。

1987年の世界体操競技選手権団体では、アウレリア・ドブレらと共にソ連を破り、1979年大会以来となる優勝を果たしました。

ソウルオリンピックの激闘

1988年のソウルオリンピックでは、個人総合でシュシュノワとの間で激しいメダル争いを繰り広げました。団体ではルーマニアは銀メダルを獲得。個人総合では、シリバシュとシュシュノワは共に10点満点を出すなど、ハイレベルな戦いを展開しました。最終的に、シリバシュは僅差でシュシュノワに敗れ銀メダルに終わりました。

しかし、種目別では段違い平行棒、ゆか、平均台で金メダルを獲得。この大会で団体、個人総合、種目別の全てでメダルを獲得した唯一の選手となり、ナディア・コマネチ以来となる7回の10点満点をマークしました。

引退後

1989年、膝の怪我に悩まされながらも、ヨーロッパ選手権のゆかで金メダルを獲得。しかし、ルーマニア革命の影響でナショナルトレーニングセンターが閉鎖されたため、1990年に引退を決意しました。その後、1991年からアメリカのアトランタでコーチとして活動し、2002年には国際体操殿堂入りを果たしました。

ダニエラ・シリバシュは、その輝かしい実績と美しい演技で、体操史に名を刻む偉大な選手の一人です。

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