ダニエル・エルナンデス・モリーリョ

ダニエル・エルナンデス・モリーリョ：ペルー美術の先駆者

ダニエル・エルナンデス・モリーリョ（1856年8月1日 - 1932年10月23日）は、ペルーの画家であり、1919年にリマに設立されたペルー国立美術学校の初代校長として、ペルーの美術教育に多大な貢献をしました。

生い立ちと初期の教育

モリーリョは、ワンカベリカ県のサルカバンバで生まれました。父親はスペイン人、母親はペルー人という家庭環境でした。4歳の時に家族とリマに移り住み、15歳からイタリア出身の肖像画家であり写真家でもあったレオナルド・バルビエリに師事しました。バルビエリは、カリフォルニアのゴールドラッシュ時代に肖像画家、写真家として活躍した人物で、モリーリョは彼から絵画の基礎を学びました。バルビエリがリマを去った後、モリーリョは彼の美術教室を引き継ぎ、後進の育成にも携わりました。

ヨーロッパ留学

1872年、モリーリョが描いた『ソクラテスの死』という作品が評価され、当時のマヌエル・プラード大統領率いる政府から奨学金を得てヨーロッパへ留学する機会を得ました。1874年にペルーを出発し、パリに到着後、1850年からヨーロッパで活動していたペルー人画家、イグナチオ・メリーノと出会い、彼の勧めによりローマで学ぶことになります。ローマには9年間滞在し、スペイン出身の画家、マリアノ・フォルトゥーニらに師事し、絵画の腕を磨きました。

パリでの活動

1883年にパリに戻ったモリーリョは、パリに住むスペイン語圏の芸術家グループ「Sociedad de Pintores Españoles」の会長に選ばれました。また、フランス芸術家協会の会員となり、芸術家協会展（サロン・ド・パリ）にも作品を出展するなど、画家として精力的に活動しました。

ペルー国立美術学校の校長として

1912年から南米やローマを旅して展覧会を開き、1918年にパリに戻りました。その後、弟がペルーの聖職者として指導的な地位にあったことが影響し、当時のホセ・パルド・イ・バレーダ大統領から帰国を要請され、1919年に開校したペルー国立美術学校の初代校長に任命されました。モリーリョは校長として、ペルーの美術教育の発展に尽力し、その職を生涯全うしました。

作品

モリーリョの作品は、肖像画や歴史画、風景画など多岐にわたります。彼の作品は、ヨーロッパでの留学経験を生かした洗練された技法と、ペルーの文化や歴史を反映した独特の表現が特徴です。

『ソクラテスの死』
『自画像』
『市場の一角』
『休憩』

参考文献

* ダニエル・エルナンデス・モリーリョ - Wikipedia

ダニエル・エルナンデス・モリーリョは、ペルーの美術界に多大な貢献をした重要な人物です。彼の作品は、ペルーの文化遺産として、後世に受け継がれていくことでしょう。

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