ダニエル・ジェイコブス

ダニエル・ジェイコブス：逆境を乗り越えたミドル級の雄

ダニエル・ジェイコブス（Daniel Jacobs、1987年2月3日生まれ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン区出身のプロボクサーです。元IBF世界ミドル級王者、元WBA世界ミドル級レギュラー王者という輝かしい実績を持ちます。

アマチュア時代

ジェイコブスはアマチュア時代からその才能を発揮し、数々のタイトルを獲得しました。

2003年：ジュニアオリンピック優勝
2004年：ナショナルゴールデングローブ優勝（ウェルター級）
2006年：全米選手権優勝（ミドル級）

アマチュア戦績は137勝7敗という素晴らしい記録を残し、プロへの転向を果たしました。

プロ転向後

2007年12月、ジェイコブスはプロボクサーとしてのキャリアをスタートさせます。デビュー戦をTKO勝利で飾り、その後も連勝を重ねて才能を開花させていきました。

王座獲得と病魔

2009年にはNABO北米ミドル級王座を獲得し、2010年にはNABF北米ミドル級王座も手にします。しかし、同年7月にはWBO世界ミドル級王座決定戦でディミトリー・ピログにTKO負けを喫し、プロ初黒星を経験しました。

さらに、2011年には脊椎の骨肉腫という重い病に冒されます。ボクサー生命の危機に瀕するも、彼は諦めずに治療に専念し、見事に病を克服しました。

奇跡の復活、そして世界王者へ

2012年10月、ジェイコブスは1年7ヶ月ぶりにリングに復帰します。復帰戦をTKO勝利で飾ると、その後も勝利を重ね、2014年8月にはWBA世界ミドル級レギュラー王座を獲得し、見事に世界王者へと返り咲きました。

その後、4度の防衛に成功し、その実力を証明しました。

ゴロフキンとの激闘、そして王座陥落

2017年3月、ジェイコブスはゲンナジー・ゴロフキンとの王座統一戦に臨みます。激戦の末、判定負けを喫し王座から陥落しましたが、その勇敢な戦いぶりは多くのファンを魅了しました。

再起、そして引退

その後、IBF世界ミドル級王座を再び獲得するも、サウル・アルバレスとの王座統一戦で敗れ、王座から陥落しました。

2022年2月にはジョン・ライダーに判定負けを喫し、2024年7月にはシェーン・モズリー・ジュニアに判定負け。試合後、現役引退を表明しました。

ダニエル・ジェイコブスの功績

ダニエル・ジェイコブスは、その卓越したボクシング技術と不屈の精神で、多くの人々に感動を与えました。脊椎の骨肉腫という重い病を克服し、世界王者に返り咲いた彼の姿は、まさに「奇跡」と呼ぶにふさわしいでしょう。彼の功績は、ボクシング史に永遠に刻まれることでしょう。

主な獲得タイトル

NABO北米ミドル級王座
NABF北米ミドル級王座
WBCアメリカ大陸ミドル級王座
WBA世界ミドル級レギュラー王座
IBF世界ミドル級王座

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