ダビド・ナルバンディアン

ダビド・パブロ・ナルバンディアン

ダビド・パブロ・ナルバンディアンは、1982年1月1日にアルゼンチン・コルドバで生まれた元プロテニス選手です。身長180cm、体重79kgという体格を持ち、右利きでバックハンドは両手打ちを得意とする彼は、シングルス自己最高ランキング3位を誇る選手でした。ナルバンディアンはテニス界で数々の功績を残し、特に2002年ウィンブルドン選手権で男子シングルスの準優勝に輝いたことが大きな注目を集めました。この時、ナルバンディアンは第28シードながら初出場を果たし、第1シードのレイトン・ヒューイットに敗れましたが、その活躍はオープン化以降のウィンブルドン初出場選手による決勝進出として、非常に価値のあるものでした。

ナルバンディアンのテニスキャリアは非常に順調で、5歳からテニスを始めた背景には、祖父が作ったセメント製のテニスコートがありました。ジュニア時代には1998年の全米オープン男子ジュニア部門で優勝し、その決勝でロジャー・フェデラーを下したことで、彼の実力は広く知られるようになりました。プロ転向後、2003年全米オープンや2004年全仏オープンでも準決勝に進出し、順調に成績を伸ばしていきました。

特に印象深い瞬間は2005年のテニス・マスターズ・カップ決勝での戦いです。この試合でナルバンディアンはフェデラーを破り、アルゼンチンの選手として初めて同大会優勝を果たしました。この勝利はフェデラーの連勝記録を止めるもので、ナルバンディアンの名はテニス界に刻まれることとなりました。

ナルバンディアンはまた、デビスカップでもアルゼンチン代表として活躍しました。2006年には25年ぶりにワールドグループ決勝に進出し、ロシアに0-3で敗れましたが、ナルバンディアンはシングルスで勝利を収めました。2010年代にはマドリード・オープンやBNPパリバ・マスターズでマスターズタイトルを取り、実力を証明しました。

しかし、彼のキャリアには波もありました。2012年、エイゴン選手権で行った未曾有の暴力行為により失格となり、罰金も科せられました。この出来事は彼のキャリアに影を落としましたが、ナルバンディアンはそれでもテニス界での影響力を保ち続けました。

2013年にはデビスカップ準々決勝を最後に現役を引退し、その後はモータースポーツにも興味を持つようになりました。特にラリーに関心が高く、タンゴ・ラリー・チームを設立して参戦するなど、テニス以外の分野でも活動を広げています。

ナルバンディアンのプレースタイルは正確なフォアハンドを利用したグランドストロークを中心に、リターンやアングルショットを駆使して相手にプレッシャーをかけるものでした。パワーよりも戦術眼を重視し、リターンエースやネットダッシュを効果的に使いこなしていたことが、彼の戦績にも表れています。

最終的に、ナルバンディアンのプロキャリアの中でシングルス24回の試合で成功を収め、11回の優勝を挙げました。彼の足跡はアルゼンチンのテニス界において、特に高く評価されており、その影響は今なお続いています。

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