ダブルスイッチ (野球)

ダブルスイッチとは

ダブルスイッチは、野球において投手交代と同時に野手を交代させる特別な戦術です。この戦略の主な目的は、投手の打順を後に回すことにあります。特に、指定打者（DH）制度を採用していないリーグ、例えば日本プロ野球のセントラル・リーグや過去のメジャーリーグのナショナルリーグでこの戦術が用いられます。

ダブルスイッチが使用される場面

ダブルスイッチは、通常、試合の後半において自チームが得点差を追うか、コントロールが必要な状況で見られます。特に打順を意識した交代が求められるため、ピンチの場面や得点を重ねる必要がある場面で効果的です。この手法を用いることで、投手の打順が来る前に他の選手を送り込むことが可能になります。

事例の紹介

例えば、自チームが先攻で1点差でリードしながら8回表の攻撃を迎え、六番打者が登場するシナリオを考えてみましょう。この表での攻撃が終了した後、8回裏には自チームの投手を交代し、次の9回裏でもその新しい投手が続投します。これで問題が起こります。9回表の攻撃が七番から始まるため、そのまま新しい投手を九番打順にしてしまうと、投手自身が打席に立つことになります。もし追加点を狙うチャンスが来た場合、代打を送らざるを得ない状況が生じてしまいます。

そのため、ダブルスイッチが必要になります。具体的には、陣内の左翼手をベンチに下げ、その位置に投手を入れ、今度は九番打順に元の投手の控え選手を埋めるという交代を行います。このようにすることで、投手の打順が回りにくくなる効果があります。

実際の事例

実際にダブルスイッチが行われた例として、2007年10月28日にメジャーリーグのワールドシリーズ第4戦で行われた戦術が挙げられます。この試合では、ボストン・レッドソックスとコロラド・ロッキーズが対決していました。ロッキーズの3番手の投手が九番打者として出場しており、その選手が交代する際に、1番打者の松井稼頭央に加えて新たに投手を入れる形でダブルスイッチが実行されました。これにより、投手が九番に来ることを防ぎ、戦術的に有利な状況を作り出しました。

まとめ

ダブルスイッチは、野球における戦術的な投手交代方法であり、特にアメリカンリーグでは指定打者制度があるため見られにくいですが、スイッチを通じてゲームの流れを変える重要な手法です。各チームが限られた選手を最大限に活かすためには、このような戦術を理解し、適切に運用することが求められます。これにより、試合を有利に進めることが可能になるでしょう。

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