ダブルバーレル質問

ダブルバーレル質問とは

ダブルバーレル質問、またはダブルバーレル式質問とは、複数の問いを一つの質問にまとめて尋ねることを指します。この形式は、回答者が一つの問いのみに答えることができ、別の問いに対する意見を明確にすることが難しくなるため、回答の正確さが損なわれる可能性があります。法的手続や調査など、さまざまな場面で問題視されています。

定義と誤謬

ダブルバーレル質問は、非形式的誤謬とされており、特に調査やアンケートにおいては避けるべきとされています。このタイプの質問は、しばしば接続詞「and」が使われるため、明確に二つの問題について尋ねていることが見て取れます。ただし、「and」が用いられても、適切に組み立てられた質問であれば問題ないこともあります。

例としての問題

例えば、「あなたは生徒たちが歴史や文化についてもっと授業を受けるべきだと思いますか？」という質問は、二つの異なるテーマ（歴史、文化）について尋ねています。このように複合的な質問は、回答者がどちらの意見に対して答えたのか分からなくなることがあります。そのため、もし質問が二つに分けられていたなら、得られる結果は異なるかもしれません。このように、回答があいまいになり、測定の精度が低下します。

使用例

ダブルバーレル質問の例にはさまざまなものがあります。例えば、「あなたはタバコを吸ったり日本酒を飲んだりしますか？」という表現には、二つの異なる行動に関する質問が含まれています。また、「あなたは、自分の給与や労働状態にどれくらい満足していますか？」も、満足度に関する二つの側面を問うているため、ダブルバーレル質問の一例と言えるでしょう。

法廷における影響

法的手続においても、ダブルバーレル質問は特に注意が必要です。法廷では「複合質問」と呼ばれることがあり、明確な回答を引き出すことが難しくなるため、異議が申し立てられることがしばしばあります。例えば、証人が次のような質問に直面した場合、「あなたが交差点に近づいたとき、下を見て、ラジオ局を変え、それから目を上げて、初めて向かってきた車に気づいたわけですね？」という複数の行動を含む質問は、証拠としての価値が不明瞭になります。

結論

ダブルバーレル質問は、誤謬の一種であり、アンケートや調査、法廷などさまざまな場面で混乱を招く可能性があります。複数の問いを一つにまとめることで、意図した回答や態度を測定することが難しくなるため、使用時には注意が必要です。特に、明確な回答を求める際には、質問を単純化し、回答者が理解しやすい形にすることが重要です。これにより得られるデータの信頼性が向上します。

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