ダミーバルーン

ダミーバルーン (Dummy Balloon)

ダミーバルーンは日本のアニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』や『機動戦士ガンダム』シリーズ、さらには『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の兵器です。しばしばバルーンダミーとも呼ばれ、主な役目は敵の認識を妨害し、混乱させるための囮として機能します。作品ごとにサイズや形状が異なるのが特徴で、宇宙空間や地上での使用が描かれています。

『宇宙戦艦ヤマト』におけるダミーバルーン

『宇宙戦艦ヤマト』におけるダミーバルーンは、特殊な装備の一つとして登場します。この装備は主に地球側が使用し、他の勢力が利用した例はありません。初作の『宇宙戦艦ヤマト』内では、主役メカであるヤマトの形を模したダミーバルーンが登場します。実際のサイズは艦載機程度でありながら、宇宙空間では遠近感が存在しないため、レーダーを妨害できれば非常に効果的です。ダミーは自走でき、ヤマトの格納庫内で展開され、出発時に準備された状態で発進します。古代進が「かわいいヤマトだねぇ」と評したエピソードも作中に登場し、視聴者に親しみを与えました。

また、訓練用の標的艦として、「ダミー戦艦」と呼ばれるバルーンダミーも存在します。こちらは折りたたまれた状態でカプセルに収納され、艦首の魚雷発射管から発射されます。発射後、カプセルが開き、瞬時に膨らんで使用可能になります。このダミーバルーンはヤマトとは異なるデザインとなっており、大型で航宙灯が取り付けられていますが、実際に自走可能であるかどうかは不明なままです。後に、作中の「コスモタイガー隊」の訓練で用いられました。

ガンダムシリーズにおけるダミーバルーン

次に、ガンダムシリーズにおけるダミーバルーンについて考察します。特に宇宙世紀作品においては、補助兵装の一つとして登場し、主に敵の探知を妨害する役割を担います。初めて登場したのは『機動戦士Ζガンダム』で、艦船やモビルスーツの姿を模したダミーバルーンが確認されました。これらは特殊な素材を使用し、ガスを注入して形状を作ることで、敵の索敵を妨げる効果を発揮します。

実際のエピソードとしては、U.C.0079年にジオン軍のバーナード・ワイズマン伍長がガンダムNT-1 アレックスを撃破するために、煙幕と市販のアドバルーンを組み合わせて使用したことが挙げられます。この行為がダミーバルーンの最初の使用例とされます。その後、グリプス戦役時に本格的にダミーバルーンが登場し、さらに第二次ネオ・ジオン抗争の際には敵艦隊を欺くための巧妙な戦術として利用されました。

特に、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、アムロ・レイのνガンダムがダミーバルーンを活用し、その効果を発揮しました。他にも、アナザーガンダム系作品でも稀に登場することがあり、例えば『機動戦士ガンダムSEED』や『機動戦士ガンダムAGE』においても確認できます。

現実世界のダミーバルーン

さらに、現実世界にもダミーバルーンの実物大モデルが使用されています。近年では、戦闘機や戦車、ミサイルのダミーが実際の兵器に似せた大きさや配色で製造されています。特に冷戦時代以降、電子戦において熱源を内蔵し、赤外線センサーを欺くための工夫がされるようになりました。このように、ダミーバルーンは架空の存在ではありますが、さまざまな作品や現実世界での応用が見られる興味深いアイテムです。

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