ダムダム弾禁止宣言

ダムダム弾禁止宣言について

ダムダム弾禁止宣言、またの名をダムダム弾禁止に関するハーグ宣言は、1899年7月29日にオランダのハーグで行われた国際会議、すなわち第1回万国平和会議において署名されました。この宣言は、戦時における拡張弾頭（ダムダム弾）の使用を禁じるものであり、その正式な名称は「外包硬固なる弾丸にして其の外包中心の全部を蓋包せず若は其の外包に截刻を施したるものの如き人体内に入て容易に開展し又は扁平と為るべき弾丸の使用を各自に禁止する宣言書」で、フランス語では「Déclaration concernant l'interdiction de l'emploi de balles qui s'épanouissent ou s'aplatissent facilement dans le corps humain」と表現されています。

ダムダム弾の背景

19世紀の中頃、1884年に無煙火薬が発明されたことが、弾丸の進化に大きな影響を与えました。この新しい発射薬は、黒色火薬と比較して弾丸の速度を向上させ、より強力な弾丸の開発が促進されました。具体的には、鉛を合金で覆った弾丸が用いられるようになり、これにより弾丸は高い威力を発揮しました。

しかしながら、これらの弾丸が人体に命中した際、マッシュルーム状に変形することで非常に高い殺傷能力を持つことが問題視されることとなります。特にインドのダムダム工廠で生産された、先端部が鉛むき出しの弾丸、いわゆるダムダム弾は植民地戦争で多く使用されていました。

人道的観点からの必要性

1868年のサンクトペテルブルク宣言では、戦争の目的は敵軍を弱体化させ、自国民や敵国民に不必要な苦痛を与えないことが強調されていました。しかし、ダムダム弾のような拡張弾頭は、この人道的原則に反するとの懸念が高まっていきました。そこで、1899年のハーグでの国際会議では、これらの弾丸の使用を禁止することが求められました。

宣言の内容

ダムダム弾禁止宣言の主要な特徴は、各国が人体に命中した際に変形を容易にするような弾丸の使用を控えるべきであるという点です。この宣言は締約国同士の戦争に適用され、非締約国との差異を設けることが明記されています。

日本もこの宣言に賛同し、明治33年11月22日には勅令として正式に批准・公布され、国内でもダムダム弾の使用が禁止されることとなりました。

脚注と関連情報

ダムダム弾禁止宣言は、国際法、特に武器規制に関する重要な一歩です。これに関連する文書や議論は、現在も存在し続けており、より人道的な戦争のあり方を探るための基盤となっています。特に赤十字国際委員会は、ダムダム弾やその他の対人兵器に対する見解を発表し続けており、国際社会における武器の使用に関する配慮を促しています。

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