ダレル・リーヴィス

ダレル・リーヴィス：孤高のコーナーバック、その軌跡

ダレル・シャヴァール・リーヴィス（Darrelle Shavar Revis）は、1985年7月14日生まれ、ペンシルベニア州アリクイパ出身の元アメリカンフットボール選手です。コーナーバックとして、その名をNFLの歴史に刻みました。特に、相手レシーバーとの一対一の守備、マンツーマンカバーに秀でており、NFL屈指のコーナーバックとして広く認められていました。

プロ入りまでの道のり

リーヴィスは、地元の高校でアメリカンフットボールとバスケットボールの両方で才能を発揮しました。バスケットボールでは2年次、3年次にチームの得点王となる活躍を見せました。その後、ピッツバーグ大学のヘッドコーチ、ウォルト・ハリスからの熱心な誘いを受け、同大学に進学します。

大学1年次の2004年、リーヴィスは全12試合に出場し、そのうち11試合で先発出場を果たしました。チーム5位タイとなる49タックル、2インターセプトを記録し、フレッシュマンのオールアメリカンに選出されるなど、早くからその才能を発揮しました。ウェストバージニア大学戦でのインターセプトは決勝ドライブに繋がるなど、勝負強さも見せました。ボストンカレッジ戦では、第4Q終盤に相手レシーバーが1ヤード地点でパスをキャッチするも、これを阻止する7タックルを記録し、チームの勝利に大きく貢献しました。

2年次の2005年には、チームトップの4インターセプトを記録し、ビッグ・イースト・カンファレンスのオールチームに選ばれました。この年、シンシナティ大学戦では79ヤードのパントリターンTD、コネティカット大学戦ではFGブロックリターンTDをあげるなど、多彩な才能を見せつけました。

3年次の2006年には、バージニア大学、シンシナティ大学戦でそれぞれインターセプトリターンTD、ウェストバージニア大学戦では73ヤードのパントリターンTDを記録するなど、目覚ましい活躍を見せました。その活躍が評価され、ジム・ソープ賞、ブロンコ・ナグルスキー賞の候補にも選ばれました。

NFLでの輝かしいキャリア

ニューヨーク・ジェッツ（第1期）

リーヴィスは、4年生に進級せず、2007年のNFLドラフトにエントリーすることを決意します。この年のドラフト候補コーナーバックとしては、ミシガン大学のレオン・ホール、テキサス大学のアーロン・ロスと並び、最も優秀な選手の一人と目されていました。ドラフト当日、全体14位でニューヨーク・ジェッツに指名され、コーナーバックとしてはこの年のドラフトで最初の指名を受けました。

ジェッツ入団後、リーヴィスはすぐに頭角を現し、チームのディフェンスに不可欠な存在となります。卓越したカバーリング能力で相手エースレシーバーを封じ込め、チームの勝利に大きく貢献しました。2009年には、プロボウルにも選出され、NFLトップクラスのコーナーバックとしての地位を確立しました。

タンパベイ・バッカニアーズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ

2013年にはタンパベイ・バッカニアーズへ移籍しますが、怪我の影響もあり、期待されたほどの活躍はできませんでした。しかし、2014年にニューイングランド・ペイトリオッツへ移籍すると、再びその才能を発揮。ペイトリオッツのパスディフェンスを大きく改善し、スーパーボウル制覇に貢献しました。

ニューヨーク・ジェッツ（第2期）、カンザスシティ・チーフス、そして引退へ

2015年、リーヴィスは古巣のニューヨーク・ジェッツに復帰。その後、カンザスシティ・チーフスを経て、2018年に引退を発表し、長いNFLキャリアに終止符を打ちました。

プレースタイルと人物像

リーヴィスの最大の武器は、何と言ってもその卓越したマンツーマンカバー能力です。相手QBは、ほとんど彼のサイドにパスを投げないほどでした。そのため、2010年シーズンはインターセプト0回という記録も残っています。

母親は高校時代に陸上競技選手として活躍し、テキサス大学への奨学金のオファーを受けるほどのアスリートでした。また、母方の叔父には、ロサンゼルス・ラムズなどでプレーしたショーン・ギルバートがいます。アスリート一家に生まれたサラブレッドと言えるでしょう。

数々のチームを渡り歩きましたが、どのチームでもその実力を発揮し、チームの勝利に貢献しました。そのプレースタイルは、多くのファンを魅了し、NFL史に残る名コーナーバックとして、今後も語り継がれることでしょう。

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