ボストンカレッジ

ボストン・カレッジ (Boston College)

ボストン・カレッジ（BC）は、マサチューセッツ州ボストン郊外のチェスナットヒルに位置する、アメリカ合衆国を代表する私立総合大学です。1863年に創立されたこの大学は、その美しいキャンパスと、リベラルアーツ教育、そしてスポーツでの卓越した実績で知られています。

歴史

19世紀、ハーバード大学がカトリック系市民や移民の入学を制限していた時代に、イエズス会によって設立されました。当初はリベラルアーツの単科大学でしたが、後に総合大学へと発展しました。創立から約50年後、学生数の増加に伴い、郊外のチェスナットヒルへ移転しました。

キャンパスは、ゴシック様式の美しい建物が特徴で、特にギャッソン・ホールは有名です。創立当初のキャンパスは4つの建物で構成されていましたが、現在はロースクール、ビジネススクール、教育学部、看護学部など、様々な学部が追加されています。1970年代には経営難に陥ったものの、J・ドナルド・モーナン神父のリーダーシップの下、大学は大きく発展しました。

イエズス会とキリスト教の伝統

ボストン・カレッジは、イエズス会の理念に基づき、知性、人間性、道徳、宗教の各面で学生を育成しています。リベラルアーツ教育を重視し、学問と奉仕活動の両方を尊重しています。ただし、近年は学生の多様性に伴い、大学のキリスト教的な運営方針に異議を唱える学生もいます。

魅力

ボストン・カレッジは、その美しいキャンパス、都市近郊という立地、スポーツでの強さ、そして質の高い教育という4つの要素を兼ね備えています。文武両道を目指す大学として、他の大学にはない独自の魅力を放っています。特に、バスケットボール、アイスホッケー、アメリカンフットボールでは、全米トップレベルの実力を誇ります。

名称

ボストン・カレッジは、その立地から「The Heights」とも呼ばれ、標語は「Ever to Excel」です。学生新聞も「The Heights」という名前で発行されており、卒業生は「Heightsman」と呼ばれています。

大学名の“偽り”

大学名には、2つの「偽り」があります。一つは、大学がかつてボストン市内にあったものの、現在は郊外に移転していること。もう一つは、「カレッジ」という名称が単科大学を連想させるものの、実際には大学院を持つ総合大学であることです。

学生

2018年時点で、約14,500人の学生が在籍しており、そのうち約9,400人が学部生です。学生の出身地はアメリカ全50州と世界100カ国に及び、多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっています。

受験

入学難易度は非常に高く、志願者数は年々増加しています。2021年の合格率は19％で、合格者のSAT平均点は1460-1540、ACTは33-35です。受験の際には、エッセイ、高校成績書、推薦状、大学進学適性試験の結果などが必要になります。

評価

ボストン・カレッジは、アメリカ国内で高い評価を受けており、『US News & World Report』誌の全米大学ランキングでは常に上位にランクインしています。しかし、卒業生の寄付率や大学基金が低いことが、ランキングに影響しているという意見もあります。

学部ランキング

US NEWS学部ランキング：第37位

Center for College Affordability & Productivity学部ランキング：第11位

主要研究大学院ランキング

物理学: 第86位

化学: 第50位

生物学: 第122位

経済学: 第31位

社会学: 第41位

英語学: 第58位

歴史学: 第56位

心理学: 第66位

専門職大学院ランキング

経営学大学院: 第48位

法科大学院: 第31位

教育学大学院: 第19位

教育研究組織

ボストン・カレッジは9つの教育研究組織で構成されています。

The Morrissey College of Arts and Sciences (A&S)
Graduate School of The Morrissey College of Arts and Sciences
Carroll School of Management (CSOM)
Lynch School of Education and Human Development
Connell School of Nursing
Graduate School of Social Work
Boston College Law School (BC Law)
Woods College of Advancing Studies
School of Theology and Ministry

学部生が最も多いのはA&Sで、次いでCSOM、Lynch、Nursingと続きます。各スクールは、それぞれ独自の専門分野に特化した教育を提供しています。

学費

2019-20年の学費は56,780ドルで、寮費と食費を加えると、年間費用はかなり高額になります。ただし、70％の学生が大学から援助費を受けており、経済的な理由で入学を諦める必要はありません。

教育

セメスター制を採用しており、リベラルアーツ教育を重視したコア教科課程が必修となっています。必修科目は、芸術、文化、歴史、文学、数学、自然科学、哲学、社会科学、神学、著述、外国語など多岐にわたります。専攻は、A&S、経営、教育、看護の各スクールで提供されており、学生は自身の興味やキャリアプランに合わせて選択できます。

学生生活

キャンパスは、チェスナットヒル、ブライトン、ニュートンの3つの地区に分かれています。チェスナットヒルキャンパスは、大学の中心であり、ロワー・キャンパス、ミドル・キャンパス、アッパー・キャンパスで構成されています。ロワー・キャンパスには、寮、運動施設、食堂などがあり、ミドル・キャンパスには、図書館、教室、教授室などがあります。

ほとんどの学生は寮に入居しますが、三年間の入寮しか保証されていません。大学の近隣には、多くの飲食店や娯楽施設があり、学生生活を豊かにしています。

IT

大学は、学生に無線インターネットアクセスを提供しており、キャンパス内のどこからでもインターネットに接続できます。大学の身分証明書は、食堂や書店でデビットカードとして利用できます。

ボストン

ボストン・カレッジは、美しい郊外に位置しながらも、ボストン市へのアクセスが良いというメリットがあります。公共交通機関を利用して、簡単にボストン市内へ行くことができます。

気候

大学は9月から5月までの一年制で、秋、冬、春を経験することになります。冬は降雪量が多く、1月、2月は本格的な雪の季節となります。

日程と休暇

一学期は9月から12月中旬まで、二学期は1月から5月中旬までです。休暇は、10月、11月、3月、4月にあります。

スポーツ

ボストン・カレッジは、スポーツの名門としても知られており、アメリカンフットボール、アイスホッケー、バスケットボール、ラクロスが特に盛んです。チームの愛称は「イーグルス」で、色は金色とえび茶色です。

大学が抱えている問題

ボストン・カレッジは、寮不足、学生会館の欠如、運動施設の老朽化、建物の老朽化、高額な学費など、いくつかの問題を抱えています。これらの問題を解決するため、大学は10年基本計画を策定し、キャンパスの拡張と施設の改善に取り組んでいます。

10年基本計画

この計画では、ブライトンキャンパスの活用、寮の増設、運動施設の拡張、学生会館の建設、学術施設の建設など、様々なプロジェクトが予定されています。

有名な卒業生

卒業生には、政治家、実業家、スポーツ選手など、各界で活躍する著名人が数多くいます。

日本人卒業生

横山康吉、渡辺弓太郎、VERBAL、渡辺和子、廣瀬光雄、遠藤功、小坂幸三などがいます。

メディア関係

マイリー・フラナガン、エイミー・ポーラー、クリス・オドネルなどがいます。

企業

ピーター・リンチ、ハーブ・スキャンネル、デニース・モリソン、マイク・ホワイトなどがいます。

スポーツ

マイク・ベルフィオーレ、アレハンドロ・ベドヤ、マット・ライアン、ティム・ハッセルベック、マット・ハッセルベック、スコット・ゴーマン、ダグ・フルーティ、ダレン・フルーティ、ルーク・キークリー、マット・ミラノ、ジャレッド・ダドリー、ブルース・パール、ジョー・マレン、ジェリー・ヨーク、フランク・ハッシーなどがいます。

教育

ジョーセフ・マクシェーン、ウィリアム・バーガー、ロバート・ドライナン、マイケル・ウォルシュ、チャールズ・ウィリアム・ライオンズなどがいます。

政治

ジョン・フォーブズ・ケリー、スコット・ブラウン、マーティ・ウォルシュ、ティップ・オニール、スティーブン・リンチ、エッド・マーキー、マイケル・キャプアノー、ビル・デラハント、ボビー・スコット、ポール・ホーズ、ジョーセフ・ブレナン、ロバート・ドライナン、シルビオ・コンティ、ジェームズ・カーリー、モリース・トービン、ポール・セルーチ、ジョン・F・フィッツジェラルド、グレース・ポーなどがいます。

判事

フランシス・スピナ、ロバート・クリフォード、ジョン・ドーリー、ウィリアム・ロビンソンなどがいます。

その他

ドロシー・ウォーカー・ブッシュ、ジャック・ライアンなどがいます。

脚注

(略)

外部リンク

Boston College （英語）
Boston College's official athletics （英語）
The Boston College Chronicle （英語）
Boston College Magazine （英語）
Japan Club of Boston College （英語）
* The Heights, Boston College's student newspaper （英語）

もう一度検索