ダンジョンキッド

ダンジョンキッド

『ダンジョンキッド』は、株式会社クエストが1990年8月31日にファミリーコンピュータ向けに発売したゲームソフトです。3DダンジョンRPGを作成できるという、当時としては非常にユニークなゲームで、後のRPG作成ソフトの先駆け的な存在と言えるでしょう。

概要

本作は、拠点の町から一つのダンジョンを攻略する、ウィザードリィタイプのダンジョンRPGです。最大の特徴は、エディットモードが搭載されていることで、プレイヤーはダンジョンの設定や変更を自由に行い、オリジナルのゲームを作成・プレイできます。また、予め用意されたサンプルゲームをロードして遊ぶことも可能です。ターボファイルに対応しており、作成したダンジョンデータを保存・ロードすることで、他のプレイヤーとデータを共有することもできました。
音楽は岩田匡治氏が担当しており、氏が手掛けた『レリクス 暗黒要塞』からの流用楽曲も使用されています。

ゲーム内容

キャラクター

プレイヤーは3人パーティを編成し、ダンジョンに挑みます。パーティキャラクターには、「せんし」「ゆうしゃ」「ようせい」「まほうつかい」など、12種類の「せいかく」が用意されており、それぞれパラメータや成長傾向が異なります。これらの性格は、ゲーム開始時に自由に選択可能です。

戦闘

戦闘はオーソドックスなコマンド選択方式で進行します。画面上部に敵、下部に味方が表示され、プレイヤーは各キャラクターに攻撃や魔法などの指示を与えます。攻撃の際には、キャラクターが敵に向かって移動し、体当たりで攻撃するアニメーションが挿入されます。また、攻撃魔法では弾が敵キャラクターに飛んでいく演出もあります。
1回の戦闘で出現する敵キャラクターの数は、通常3体、中型敵で2体、大型敵で1体となっています。

エディットモード

本作の大きな魅力であるエディットモードでは、以下の要素を自由に設定できます。

ジャンルの選択:
ゲームで使用するグラフィックとBGMを、「ファンタジー」風と「SF」風のどちらかから選択します。
MAPの作成:
方眼紙状のマップに壁や扉を描き込み、3Dダンジョンのマップを作成します。ダンジョンマスターのように、扉や壁なども1ブロックとして扱われます。宝箱や階段、固定の敵、メッセージなどを配置することも可能ですが、設置数には上限があります。作成できるフロアは全部で8つです。
アイテムの設定、魔法の設定:
アイテムや魔法の名前、装備／使用時の効果などを自由に設定します。
味方の設定、敵の設定:
戦闘画面に表示されるキャラクターのグラフィックを設定します。グラフィックを描くことはできませんが、予め用意された中から選択できます（敵味方ともに16x16ドット）。敵キャラクターについては、名前やパラメータ、使用する魔法などを細かく設定できます。
町の設定、その他の設定:
町の商店で表示されるメッセージや販売商品、オープニング・エンディングで流れるメッセージなどを設定します。

サンプルゲーム

本作には、サンプルゲームとして「古城の魔法使い」が収録されています。
病に伏した王の命を受けた二人の王子が魔物討伐の旅に出る物語です。未知の知恵をつかさどる「エ・スエフ」の称号を持つ兄王子と、夢を創り出す「ファン・タジー」の称号を持つ弟王子は、辺境の村ピクセルを苦しめる魔法使いを倒すため、村はずれにある魔法使いの城に挑みます。

評価

ゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは合計25点（満40点）を獲得。『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では19.12点（満30点）という評価を得ています。

脚注

外部リンク

Dungeon Kid（英語） - MobyGames

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