ダンツィヒ十字章

ダンツィヒ十字章（Danziger Kreuz）

ダンツィヒ十字章は、国家社会主義ドイツ労働者党、いわゆるナチス党が授与した勲章の一つです。この勲章は1939年8月31日、ダンツィヒ自由都市の指導者アルベルト・フォルスターによって制定されました。この勲章は、ナチ党の発展に寄与した個人に対して授与されるもので、特にダンツィヒにおける党の活動に功績があった者たちが対象とされました。

ダンツィヒ十字章には二つの等級が存在し、一級と二級に分かれています。一級ダンツィヒ十字章は88名に、二級ダンツィヒ十字章は253名に授与されました。これらの授与はほとんどが、1939年10月24日に行われたとされています。

この勲章のデザインは、ナチ党と親衛隊（SS）の画家であるベンノ・フォン・アーレントによって手掛けられました。その特徴として、一級ダンツィヒ十字章は白いマルタ十字の形状を持ち、二級は赤と黄色、白のストライプ模様のリボンが付いています。一級の勲章は背面にピンがあり、これで衣服に佩用する仕様となっています。このようなデザインは、その時代の党章が持つシンボリズムと効果を反映したものであり、授与者の地位や功績を際立たせるものでした。

叙勲者一覧

ダンツィヒ十字章の一級を叙勲された著名な人物には、以下のような名前があります。これらの人物はそれぞれ、ナチス党の中で重要な役割を果たしたリーダーたちです。

• - ルドルフ＝ヘルマン・フォン・アルフェンスレーベン: 親衛隊中将として党に尽力しました。
• - ベンノ・フォン・アーレント: 勲章のデザインを手掛けた画家でもあります。
• - エーリヒ・フォン・デム・バッハ＝ツェレウスキー: 親衛隊大将であり、重要な軍事デシジョンに関与しました。
• - ヘルマン・ゲーリング: 空軍総司令官として党の戦略に影響を及ぼしました。
• - ラインハルト・ハイドリヒ: 親衛隊大将であり、国家保安本部長官として知られています。
• - エーリヒ・ヒルゲンフェルト: ナチ党の福祉担当官として活動しました。
• - カール・ジギスムント・リッツマン: エストニアで重要な役割を果たしたコミッサリアートのメンバーです。
• - ヨアヒム・フォン・リッベントロップ: 外務大臣として外交政策を主導しました。
• - フランツ・クサーヴァー・シュヴァルツ: ナチ党の出納長であり、親衛隊上級大将としても知られます。
• - マックス・ジーモン: 親衛隊中将として党内で活動しました。
• - フリッツ・トート: 軍需大臣としての役割を果たし、戦争の準備に貢献しました。

これらの叙勲者は、ダンツィヒ自由都市のナチス党の発展において中心的な役割を果たし、その結果としてダンツィヒ十字章の授与を受けました。この勲章は、ナチス党の歴史において重要な意味を持つものであり、その影響は戦後の歴史にまで及んでいます。

もう一度検索