ダンドボロギク

ダンドボロギク (段戸襤褸菊) の概要

ダンドボロギク（学名: Erechtites hieracifolia）は、キク科タケダグサ属に属する一年草であり、北アメリカが原産です。日本では帰化植物として広く分布しており、主に北海道、本州、四国、九州の林縁や明るい場所で観察されます。この植物は1933年に愛知県段戸山で初めて記録され、北村四郎によりその名が付けられました。

特徴と生態

ダンドボロギクは、草丈が50～150センチメートルほどの一年生草本で、無毛で直立した茎を持ちます。葉は長楕円形で、一般的に最大で20センチメートルの長さになります。葉の縁には不揃いの鋸歯があり、色は緑色です。上部の葉は無柄で、基部が少し広がって茎を抱える形状をしています。

花は8月から10月にかけて咲き、茎の頂部に円錐状の花序を形成します。薄黄色の細長い頭花が上を向いており、これがダンドボロギクの特徴的な見た目です。外観としては、円筒形の無毛の総苞を持ち、内側の総苞片は正確に配置されています。筒状花は細長く、先端は淡黄色から黄緑色に変わります。果実は黒色で淡色の脈があり、その一端には冠毛がついています。群落の周辺が果実の時期になると銀色に輝く様子も見られます。

分布と生育環境

ダンドボロギクは新しく日当たりの良い場所に生えるパイオニア植物です。これにより、山火事や地すべり後など、他の植物が育ちにくい環境に最初に現れます。そのため、ダンドボロギクは非常に適応力の高い植物とされています。もともとは山林に多く存在しましたが、今では耕作地や都市公園でも見られるようになっています。

変種について

ダンドボロギクには変種のウシノタケダグサ（学名: Erechtites hieraciifolius var. cacalioides）が存在します。こちらは毛が多く、葉が深く裂け、総苞が小さくなるという特徴があります。この変種は、八丈島や南西諸島、小笠原諸島に見られます。また、ダンドボロギクに似た植物としてベニバナボロギクがありますが、これは明らかに異なる形態をしています。ベニバナボロギクは蕾の時期から朱赤色をしており、下向きに生えているため、簡単に見分けることができます。

食用としての利用

ダンドボロギクの若い葉や茎は食用として利用されます。最もおいしい時期は7月から8月にかけてで、この頃に収穫されると良いでしょう。キク科特有の芳香があり、天ぷらや油炒め、おひたし、白和えなど多様な料理に利用されます。また、汁物の具材としても人気です。これにより、ダンドボロギクはただの観賞用植物だけではなく、食材としても利用価値が高いことが伺えます。

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