ダークサイド・ブルース

ダークサイド・ブルース

『ダークサイド・ブルース』（Darkside Blues）は、菊地秀行による原作とあしべゆうほによる作画から成る日本の漫画作品です。1987年から1988年にかけて、秋田書店の『Candle』に連載されました。物語は、近未来の地球を舞台に、巨大企業「ペルソナ・センチュリー」（P.C）による支配下で繰り広げられるレジスタンスの戦いを描いています。

ストーリー

近未来、地球の約90%の土地はP.Cに支配され、残りの10%は「ダークサイド」と呼ばれています。その中には、かつての新宿区歌舞伎町が含まれていました。物語の冒頭、P.C本社にテロリストが潜入するものの、ほぼ全員が捕らえられ、達也だけが逃げ延びます。彼は、「メシア」と呼ばれる不良グループと手を組み、P.Cに反抗する計画を立てます。

メンバーは、スピードに優れた舞衣や電子工学を得意とするケンゾーなど多様で、それぞれの特技を活かしながらP.Cの刺客に立ち向かいます。達也はP.Cから連絡を待つが、彼の行動は企業に察知され、結局彼は射殺されてしまいます。その後、ダークサイドは達也とセリアに「修正」と称する夢を見せることで彼らを引き込もうとします。夢の中では、P.Cを打倒した後の2人の幸せな未来が描かれています。最終的に、セリアは新たにAPメンとなり、戦いの道へと進む決意を固めるのです。

登場人物

物語には多彩なキャラクターが登場します。舞衣は「メシア」のリーダーであり、その超高速移動能力により、戦いの中で重要な役割を果たします。彼女は過去のトラウマを抱えており、その傷はダークサイドの「修正」からも免れています。ケンゾーは巨漢の男で、電子工学の専門知識を活かし、自作のミサイルランチャーを使いこなします。

セリアは元看護士で、達也との出遭いを通じて彼に惹かれていくキャラクターです。彼女の過去には辛い経験があり、家族を失った悲しみが影を落としています。

一方、P.Cの側には法月蘭土や法月紅蓮などの強力な人物が存在し、彼らはそれぞれ異なる能力を持っています。特に法月炎血は、独特の技を駆使して戦いを挑んできます。これらの登場人物たちの激しい闘争と心理描写が、本作の魅力を増しています。

作品の背景

『ダークサイド・ブルース』の設定は、菊地秀行が後に執筆した他の作品にも影響を与えています。特に「P.C」による圧政と、それに抗うレジスタンスの構図は、同じテーマに基づいた作品『虚空王』や『イラストレイテッド・ブルース』でも見受けられます。

漫画の単行本は全2巻で、初版は1988年に発売されています。また、映画化もされており、キャストには旺なつきや三石琴乃などが名を連ねています。

まとめ

『ダークサイド・ブルース』は、緊迫したストーリー展開と多様なキャラクターの心理描写が織りなす魅力的な作品です。近未来のディストピアにおける人間ドラマを通じて、読者や視聴者は深い感動を覚えることでしょう。この作品は、ただの娯楽としての漫画・アニメに留まらず、社会的なテーマを問いかける深みを持っています。

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