ダートマス (ビクトリア州)

ダートマス村の歴史と現状

ダートマス（Dartmouth）は、オーストラリアのビクトリア州に位置する風光明媚な村です。この地域の歴史は1870年に遡り、最初の集落は現在の町からおよそ10キロメートル離れた、ダート川とミタミタ川の合流点近くに設立されました。

初期の集落とゴールドラッシュ

当初、この集落は金鉱掘りを目指す人々の集まりとして発展し、ホテルなどの施設が設置されました。経営にあたった家族は、牧畜業にも着手しますが、20世紀初頭には金の採掘活動が衰退し、1916年には最後のホテルが閉業に追い込まれました。牧場の経営も1938年には途絶え、初期のダートマスは静かな村へと変わりました。

ダム建設の影響

1972年には、ダートマス湖の建設が州および連邦政府によって計画され、1973年から1979年にかけて施工が行われました。このプロジェクトのために、最初の集落は水没する運命を辿ります。ダートマス・ダムは、ダート川がミタミタ川に合流する地点に建設され、マレー＝ダーリング水系の主要な貯水池として機能しています。

新しいダートマスの集落は、ダム建設の労働者たちの宿営地として1973年に確立され、その年の3月1日には郵便局も開設されました。この地域には以前にも郵便局が存在していた時期があり、地域社会の発展に寄与していました。ダム建設の期間中、住民の多くはティース・ブラザーズ社の従業員であり、この時期の人口は約1800人に達します。

失われた繁栄と現在のダートマス

しかし、1979年にダートマス・ダムが完成すると村の人口は急減し、1986年には学校も閉校となりました。現在のダートマスには約90人が暮らしており、小さな集落として静かな時間が流れています。

ダートマス湖やミタミタ川周辺は自然豊かな観光地として知られ、特に釣り愛好者に人気があります。また、現在では地元のダムを管理する関係者や時折訪れる旅行者が村を訪れています。

この地域が歴史の中でどのように変遷してきたかを知ることは、ダートマスの文化や自然環境に対する理解を深めるために重要です。ダートマスはかつての賑わいを失ったものの、その美しい風景と静けさは、多くの人々に愛され続けています。

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