ダーファ・テクノロジー

ダーファ・テクノロジーの概略

ダーファ・テクノロジー（大華技術）は、中国の杭州市に本拠を置く監視カメラや関連設備を製造・販売する企業です。略称は「大華股份」とし、同社は世界的にその市場占有率の高さで知られています。特に2015年には監視業界において第2位の地位を確立していました。

企業沿革

ダーファ・テクノロジーは傅利泉（Fu Liquan）によって設立されました。企業の成長は目覚ましく、2008年には深圳証券取引所に上場し、正式に「大華股份」として取引されるようになりました。上場当初は1680万株を発行し、総資本は6680万株に達しました。2013年には同社が開発した強力な電源スイッチ制御信号発生回路に対して、国家知識産権局から発明権利証書が付与され、技術革新への貢献が評価されました。

2015年には営業収入が100.78億元、純利益が13.81億元を達成し、業績は順調に伸びていましたが、その裏ではセキュリティ上の問題も抱えていました。

セキュリティ問題の浮上

2016年、ダーファの製品がDDoS攻撃の大規模な発信源となった事件が発生しました。アメリカのジャーナリストによる調査によれば、感染した機器の中でダーファ製品が最も多く見受けられ、約百万台の監視カメラやハードディスクレコーダーが「BASHLITE」というマルウェアに感染していました。製品には脆弱性があり、悪意のある攻撃者が機器を完全に制御することが可能とされたため、この問題は深刻なセキュリティリスクを伴っていました。

その後の2017年3月、さらに別の脆弱性が発見され、特定の企業のネットワークに接続されたカメラを通じてデータ流出が確認されました。この問題に対処するため、ダーファはファームウェアの更新を実施しましたが、研究者たちは更新後にも依然としてセキュリティホールが残っている事実を指摘しました。これによって、ダーファのセキュリティ対策には大きな疑問が卷き起こされました。

業界シェアと影響

2018年時点でダーファは業界内でハイクビジョンに次ぐシェアを保持しており、中国企業がグローバルな監視市場の4割以上を占める状況にありました。さらに、ウイグル自治区における大量監視に関与しているとの指摘も受け、これにより国際的な議論も巻き起こりました。

2019年10月には、アメリカ合衆国商務省の産業安全保障局がダーファを制裁対象として指定し、エンティティ・リストに掲載しました。これは、同社が少数民族への監視に関与しているという理由でした。

結論

ダーファ・テクノロジーは技術的な革新とともに、セキュリティ問題に悩まされています。国際的なビジネス環境の中でその動向が注目されており、今後の展開が待たれます。

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