ハイクビジョン

ハイクビジョンの概要

ハイクビジョン（Hangzhou Hikvision Digital Technology Co., Ltd.）は、中国の浙江省杭州市に本社を置く、防犯カメラや録画機器を中心とした企業です。2001年に設立され、現在では世界的な監視カメラのリーディングカンパニーとして知られています。この企業は、中国電子技科集団（通称：CETC）の子会社として経営されてきました。また、アメリカ合衆国商務省の産業安全保障局によるエンティティ・リストにも掲載されているため、外国との取引には一定の制限がかかっています。

企業の成り立ちと成長

ハイクビジョンは設立当初、主に外国企業のOEMとして製品を供給していましたが、2007年からは自社ブランドでの海外展開を始めました。この動きは、2001年のアメリカ同時多発テロや、中国政府の監視ネットワークである天網計画により加速しました。特に、2011年から2017年にかけての間にハイクビジョンは、世界最大の監視カメラメーカーとしての地位を確立し、2017年時点では世界市場シェアの38%を占めていました。

同年代には、アメリカ市場でもシェアを拡大し、アメリカ合衆国の警察機関や国防兵站局が採用するなど、影響力を持つまでに成長しました。さらに、カリフォルニア州の職員退職年金基金など、アメリカの公的な年金基金がハイクビジョンに投資を行う事例も見られました。

政府調達からの排除

しかし、2018年には米中貿易戦争の影響を受けて、米国の国防権限法に基づき、他の中国企業であるダーファ・テクノロジーやファーウェイと共に、アメリカ政府の調達から排除されることになりました。この規制にも関わらず、フロリダ州の海軍基地やピーターソン空軍基地を含む複数の米軍基地には依然としてハイクビジョンの監視カメラが設置されていたため、問題視されています。

各国における規制と動向

ハイクビジョンは、エンティティ・リストに記載されていることで、アメリカ国内でのさらなるビジネス展開に多大な影響を受けています。この状況により、様々な国々ではハイクビジョン製品に対する規制が強化される動きが見られます。特に、プライバシーの問題やサイバーセキュリティの懸念から、多くの国で政府機関がハイクビジョン製品の使用を検討し、慎重さを求める声が高まっています。

日本法人の設立

ハイクビジョンは、2019年にHIKVISION JAPAN株式会社を設立し、日本市場にも本格的に参入しています。日本の本社は東京都港区に置かれ、「ハイクビジョン・ジャパン」としても知られています。この日本法人は、国内市場向けに製品の販売とサービスを提供しており、日本におけるセキュリティソリューションの普及に努めています。

結論

ハイクビジョンは、設立以来急速に成長を遂げ、監視カメラ業界での国際的な地位を確立していますが、その影響力の一方で、各国の政府や規制当局からの scrutinization も受けています。将来的には、特にプライバシーやセキュリティに対する規制が強化される中で、ハイクビジョンがどのように対応していくのかが注目されます。

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