ダ川

ダ川について

ダ川（ダがわ）、またはダー川（ダーがわ）は、中国からベトナムの北西部を流れる大きな河川です。この河の名前は、ベトナム語で「暗い茶色」を意味する「đà」に由来しています。中国国内の流域では「李仙江」と呼ばれ、別名「黒河」とも言われることがあります。

流路の特徴

ダ川の水源は中国の雲南省に位置しており、そこから南下してベトナムに入ります。川はライチャウ省を流れ、その一部はディエンビエン省との境界を成し、さらにソンラ省やホアビン省を流れていきます。特にフート省のヴィエットチー近くでは、ダ川は紅河（ホン川）と合流する地点であり、この合流点はダ川にとっても紅河にとっても非常に重要です。また、ダ川の一部はフート省とハノイ（以前の旧ハタイ省）との境界でもあります。川の全長は約980kmに及び、そのうち約540kmがベトナム国内を流れています。

水力発電の重要性

ダ川は、水力発電の観点からも非常に重要な役割を果たしています。中国の側では、7基のダムが計画されており、その中の6基はすでに完成しています。完成したダムには、崖羊山ダム、石門坎ダム、龍馬ダム、居甫渡ダム、戈蘭灘ダム、土卡河ダムが含まれ、これらのダムは合計でおよそ1,300メガワットの発電能力を持っています。このため、ダ川は中国国内でも水力発電の主要な供給源とされています。

ベトナム側でも水力発電が行われており、特に2基の大規模発電所がダ川に位置しています。ホアビンダムは1994年に完成し、現在も重要な発電施設として機能しています。また、ソンラダムは2012年に完成し、東南アジアでも最大の発電出力を誇ります。さらに2011年にはライチャウ省ムオンテ県で新たにライチャウダムの建設が開始されました。これらの発電所が持つ総合発電出力は約5,520メガワットに達します。

環境への影響と展望

ダ川の開発は地域の経済に寄与する一方で、環境への影響も考慮する必要があります。特に大規模な水力発電は周辺の生態系に影響を与える場合があります。そのため、環境保護と持続可能な開発を両立させるための方策が求められています。政府や地方自治体は、河川の健全な管理と、地域住民の生活向上につながるようなプロジェクトを推進していく必要があります。

このように、ダ川は中国とベトナムにとって重要な水資源であり、未来の発展に欠かせない役割を果たすことが期待されています。

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