チアリーダー忍者

チアリーダー忍者：インターネットを守る、意外なヒーローたち

2002年公開のアメリカ映画『チアリーダー忍者』（原題：Cheerleader Ninjas）は、チアリーダーと忍者、そしてインターネットという、一見無関係な要素が見事に融合した、異色のアクションコメディです。監督はケビン・キャンベル、主演はキラ・リードが務めています。

本作は、一見するとB級映画の様相を呈していますが、そのユニークな設定とテンポの良い展開は、多くの観客を惹きつけました。物語は、Happy Valley High Hamstersという高校チアリーディング部の4人のメンバーを中心に展開します。彼女たちは、インターネットの危険性を説く熱心な主婦グループから糾弾を受けます。主婦たちは、インターネットを「汚らわしいもの」と見なし、チアリーダーたちを懲らしめようと画策します。

一方、影では謎の男ミスターXが、自作のウイルスソフトでインターネットを支配しようと企んでいました。チアリーディング部員たちは、ミスターXの陰謀、そしてインターネットを危険にさらすカトリック学校の少女たちや、彼女たちを操るゲイの教師スティーブンに立ち向かうことになります。

しかし、彼女たちには頼もしい味方がいます。それは、一見するとチアリーダーたちとは正反対の、コンピューターオタクの少年たちです。オタク少年たちは、チアリーダーたちに忍術を教え、共に悪と戦います。チアリーダーたちは、華麗なチアリーディングと、習得した忍術を駆使して、次々と敵を倒していきます。

個性豊かなキャラクターも本作の魅力です。アンジェラ、ヘザー、オフィーリア、ジェーンという4人のチアリーダーは、それぞれ異なる個性と魅力を持っています。また、彼女たちをサポートするオタク少年たちや、悪役であるミスターX、スティーブンも、強烈な個性で物語を彩ります。

キャストには、アンジェラ・ブルベイカー、レネ・ディーマー、タマラ・レンツ、サニー・グレイヴスなどが出演。日本語吹き替え版では、甲斐田裕子、新井里美、児玉孝子、中川和恵といった豪華声優陣が名を連ねています。その他にも、ジェフ・ニコルソン、ジャレッド・ブルベイカー、T・スコット・ベッカーなど、個性豊かな俳優たちが脇を固めています。

撮影は、Englewood High Schoolで行われました。学校という日常的な場所を舞台に、非現実的なアクションが繰り広げられるという対比が、本作の独特な雰囲気を作り出しています。

批評家の評価は様々です。Film Threatというオンライン批評サイトは、演技を高く評価し、4つ星を与えています。一方で、The encyclopedia of underground moviesは、面白いというよりもグロテスクだと評しています。評価は分かれるものの、本作のユニークな世界観は多くの観客にインパクトを与えたことは間違いありません。

後に、ジョージ・タケイ主演の『ニンジャ・チアリーダー』というリメイク作品も制作されました。オリジナル作品とは異なる解釈で、新たな魅力を持つ作品となっています。

『チアリーダー忍者』は、奇想天外なストーリーと個性豊かなキャラクター、そして意外なほど本格的なアクションが魅力の作品です。B級映画として片付けるには惜しい、独自の面白さを持ち合わせた、必見の映画と言えるでしょう。インターネットと忍術、そしてチアリーディングという、一見すると全く関係のない要素が融合した、この異色の作品を、ぜひ一度ご覧ください。

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