チップマウンター

チップマウンター：電子部品実装の自動化を支える精密機器

チップマウンターは、電子部品をプリント基板に正確に配置する自動化装置です。表面実装機とも呼ばれ、現代の電子機器製造において欠かせない存在となっています。本稿では、チップマウンターの仕組み、種類、主要メーカー、そして業界の現状について解説します。

チップマウンターの役割と仕組み

電子機器の小型化・高機能化に伴い、表面実装技術が主流となっています。表面実装とは、電子部品をプリント基板の表面に直接実装する技術です。この実装工程を担うのがチップマウンターです。

チップマウンターは、リール状に収納されたチップ部品やトレイに収められた大型部品を自動で供給し、基板上に配置します。実装前に、クリームはんだ印刷機で基板のランド（はんだ付け箇所）にクリームはんだを塗布する工程や、接着剤を用いる場合もあります。

チップマウンターの内部では、供給装置から供給された部品をノズルが吸着し、高精度なビジョンシステムを用いて位置を認識、補正しながら基板上に搭載します。一部メーカーでは、レーザーを用いた部品認識技術を採用することで、より正確な実装を実現しています。

チップマウンターの種類：ロータリー式とモジュラー式

チップマウンターには、大きく分けてロータリー式とモジュラー式の2種類があります。

ロータリー式は、回転ヘッドを用いて部品の吸着と搭載を同時に行う方式です。かつては高速実装が可能なため主流でしたが、大型で設置が複雑な点が課題でした。

一方、モジュラー式は、複数のヘッドユニットを組み合わせて実装を行う方式です。コンパクトで設置が容易な反面、初期の段階では搭載速度がロータリー式に劣っていました。しかし、近年の技術革新により、モジュラー式も高速化が進み、現在では主流となっています。特に微小部品や多様な部品に対応できる点が評価されています。シーメンス社を除く主要メーカーはモジュラー式への移行が進んでおり、近年ではチップマウンターといえばモジュラー式を指すのが一般的です。

世界と日本のチップマウンター市場

世界市場では、[パナソニック]]が30％の世界シェア、国内では45％のシェアを誇り、1968年以来首位を維持しています。そのほか、FUJI(世界15％、国内30％)、シーメンス]などが大きなシェアを占めています。日本国内では、[[パナソニック、FUJI、シーメンスの3社が大手として知られています。また、ヤマハ発動機、JUKI、マイクロニック・マイデータなども重要なメーカーとして市場に貢献しています。過去にはアイパルス、ソニーマニュファクチュアリングシステムズなども存在しましたが、それぞれヤマハ発動機、JUKIに吸収合併されました。その他、ハンファテックウィン、山形カシオなども市場に参入していましたが、山形カシオは撤退しています。

まとめ

チップマウンターは、電子機器の製造工程において、自動化と高精度化を実現する重要な装置です。高速・高精度な実装技術の進化は、電子機器のさらなる発展を支えています。今後も、小型化、多品種少量生産への対応、さらなる省人化といったニーズに応えるため、技術革新が続くことが予想されます。

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