チャイナドラゴン (アイスホッケー)

チャイナ・ドラゴン（China Dragon）は、中国にかつて存在した男子アイスホッケーチームです。主にアジアリーグアイスホッケーに所属し、中国黒竜江省チチハル市にあるチチハル冬季スポーツセンターを本拠地としていましたが、活動期間中には北京市や上海市などでもホームゲームを開催しました。

チームの起源は古く、1945年にハルビン市を拠点とするアイスホッケーチームとしてスタートしました。その創設時期が第二次世界大戦終結直後の満州国時代か中華民国時代かは明確ではありませんが、中国におけるアイスホッケーの長い歴史の一端を担う存在でした。中国国内のリーグなどでは強豪として知られ、最多優勝回数を誇る実績を持っていました。

国際舞台への挑戦として、2004-05シーズンにはアジアリーグアイスホッケーに新規参入を果たしました。長年のライバルであり、同じ黒竜江省に本拠地を置くチチハルアイスホッケーチームもこのシーズンからリーグに加わり、中国勢として日本のチームや韓国のチームと競い合うことになりました。しかし、国内での圧倒的な強さとは対照的に、アジアリーグでは各国のチームとの間にレベルの差があり、チチハルと共にしばしばリーグ最下位を争う状況が続きました。初年度は8チーム中7位という成績に終わっています。

2006年には、中国の衣料品メーカーである浩沙集団からの財政的な支援を受け、チームは名称を「浩沙（Hosa）」に変更しました。本拠地も形式上は北京へ移されましたが、選手たちの多くは依然として黒竜江省ハルビンに居住しており、試合のために長距離を移動するという負担を抱えていました。

2007年には、長春富奥氷球倶楽部と統合され、チームは「中国浩沙」と改名しました。これは事実上、中国のナショナルチームがアジアリーグに参加するような形態での再編でした。さらに開幕直前には、NHLのサンノゼ・シャークスとの間に提携関係が結ばれ、シャークスからのスタッフや選手派遣が実現するとともに、命名権を供与する形でチーム名は急遽「中国シャークス」に変更されました。2008年には、チームの日本語表記が「チャイナシャークス」に統一されました。この時期に本拠地が上海へと移され、より広範囲の地域でアイスホッケーの普及を目指す姿勢が見られました。

2009年になると、サンノゼ・シャークス側が外国人選手主体でのチーム運営を目指したのに対し、中国協会が国内選手の強化育成を優先する方針を取ったため、両者の間で意見の相違が生じました。これによりシャークスとの提携は解消され、チーム名は再び「チャイナドラゴン」へと改められました。

2011年には、日本のスポーツ用品大手であるゼビオ株式会社と、中国国家体育総局の間で冬季スポーツ振興に関する包括的な提携が合意されました。アジアリーグに所属するゼビオ傘下の東北フリーブレイズとの連携も強化され、フリーブレイズからチャイナドラゴンへ監督や選手のレンタル移籍が行われるなど、選手交流も活発になりました。

アジアリーグ参戦以来、チャイナドラゴンは成績に苦しみ、特に2009年11月以降は長い連敗が続いていました。この苦難に終止符が打たれたのは2014年9月23日、韓国のHigh1との試合での勝利でした。この勝利は、実に182連敗という記録を打ち破る劇的なものでした。

チャイナドラゴンは2016-17シーズンをもってアジアリーグへの参加を終え、2017-18シーズンへのエントリーを見送りました。これは事実上の解散となり、チームはその歴史に幕を下ろしました。短期間に多くの変遷を経験したチームでしたが、中国アイスホッケー界のアジアリーグにおける存在感を担ったチームとしてその名を残しています。

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