チャタテムシ

チャタテムシの概要

チャタテムシとは、昆虫綱咀顎目に属する微小昆虫の総称で、特に寄生性のシラミやハジラミを除いたグループを指します。この虫はかつてチャタテムシ目（噛虫目）に分類されていましたが、現在ではこの分類は正式には認められていません。それでも「チャタテムシ目」という表現はまだ使われています。チャタテムシには有翅のものと無翅のものがおり、その形状や体長に特徴があります。

江戸時代にこの虫が障子に止まって音を発すると、茶筅で茶を点てる際の音と似ていることから「チャタテムシ」という名前が付けられました。

特徴

無翅のチャタテムシ

コチャタテ科やコナチャタテ科に属する無翅のチャタテムシは、その体長が1ミリメートルから2ミリメートル程度で、相対的に大きな頭部を持っています。また、形がシロアリに似ていることも特徴の一つです。特にコナチャタテ科のものには、雄と雌で体長にかなりの差があるものがあります。

有翅のチャタテムシ

対照的に、有翅のチャタテムシはチャタテムシ科やホシチャタテ科に属し、体長は3ミリメートルから7ミリメートルに達します。彼らは前翅が体よりも大きく、それによって特徴づけられます。食性はカビや地衣類を主にもっており、時にウンカやショウジョウバエと間違われることがありますが、その形状の違いによって容易に識別できます。

分類

チャタテムシは主にいくつかの亜目と科に分類されます:

• - チャタテ亜目 Psocomorpha: 約3600種が含まれ、様々な科があります。

- ケチャタテ下目
- ケチャタテモドキ下目
- Homilopsocidea
- チャタテ下目

• - コナチャタテ亜目 Troctomorpha: 9科が含まれています。
• - コチャタテ亜目 Trogiomorpha: 約340種の昆虫が存在します。

このうちコナチャタテ亜目は側系統であり、他の2つは単系統となっています。

人間との関わり

チャタテムシは博物館や美術館、資料館の展示ケース、住居内の書棚や押し入れなどで見られます。彼らは書物や乾燥した動植物標本、さらには食品を食害することで知られており、特に段ボールのように厚紙で構成されている場所に生息します。時には倉庫や保管場所から持ち込まれることも多く、大発生を起こすことがあり、その際にはかなりの被害をもたらすこともあります。

このようにチャタテムシは一見すると小さく無害に見えますが、実際には人間の生活に深く関わり、多くのトラブルを引き起こす害虫でもあるのです。特に大きな発生が確認された場合には、速やかな対策が求められます。

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