チャック (アルバム)

チャック（Chuck）

『チャック』（Chuck）は、カナダのパンク・ロックバンド、Sum 41が2004年に発表した3枚目のスタジオアルバムです。これまでの彼らの作品と比較して、本作ではより重厚なメタルサウンドが顕著に取り入れられており、音楽性の幅を広げた意欲作として位置づけられています。この音楽的な変化は広く受け入れられ、アルバムは全米ビルボードチャートで最高10位を記録するなど、商業的にも成功を収めました。

アルバムタイトルの由来

このアルバムのタイトル『Chuck』は、非常に印象的なエピソードに由来しています。バンドがアフリカ大陸のコンゴ民主共和国を訪れた際、予期せぬ内戦の勃発に巻き込まれ、危険な状況に置かれました。その窮地において、彼らを安全な場所へ避難させる手助けをした一人の国連職員がいました。彼の名前こそが「チャック」であり、バンドは彼への深い感謝と敬意を表し、このアルバムのタイトルにその名前を冠したのです。

リードシングル「We're All To Blame」

アルバム『Chuck』から最初にリリースされたリードシングルは「We're All To Blame」です。この楽曲は、バンドがコンゴで実際に体験した緊迫した出来事や、内戦という人間の対立が生む悲劇からインスピレーションを得て制作されたと言われています。シリアスなテーマを扱いながらも、Sum 41らしい力強いサウンドが特徴です。

さらに、この「We're All To Blame」は、2004年に公開された東宝配給の特撮映画『ゴジラ FINAL WARS』の挿入歌としても使用されました。同映画の製作を手掛けた富山省吾プロデューサーは、この楽曲について「まさにゴジラのために書かれた曲だと感じた」とコメントしており、映画の世界観と楽曲が見事にマッチしていることがうかがえます。

収録曲

本作には、前述の「We're All To Blame」を含む、バンドの多様なサウンドが詰まった楽曲が収録されています。以下にそのリストを示します。

1. Intro
2. No Reason
3. We're All To Blame
4. Angels With Dirty Faces
5. Some Say
6. The Bitter End
7. Open Your Eyes
8. Slipping Away
9. I'm Not The One
10. Welcome To Hell
11. Pieces
12. There's No Solusion
13. 88

日本盤には、ボーナストラックとして以下の3曲が追加収録されています。

1. Noots
2. Moron
3. Subject To Change

『Chuck』は、Sum 41のキャリアにおいて音楽的な転換点となった重要な作品であり、タイトルに込められた背景も含め、バンドの経験が色濃く反映されたアルバムと言えるでしょう。

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