Sum 41

Sum 41：多ジャンルを融合したカナダ発のロックバンド

Sum 41は、カナダのオンタリオ州エイジャックス出身のロックバンドです。パンク、メタル、ヒップホップなど、多様な音楽ジャンルを融合させたサウンドが特徴で、世界中で高い人気を誇っています。

バンドの結成と初期の活動

バンド名の由来は、メンバーが夏休みの41日目に訪れたワープド・ツアーに感銘を受け、その日から活動を開始したことにあります。2000年代初頭にリリースしたアルバム『All Killer No Filler』は、キャッチーなメロディーと疾走感あふれるサウンドで、一躍彼らをスターダムに押し上げました。

サウンドの変化とメンバーの脱退・復帰

2006年には、ギタリストのデイヴ・バクシュが脱退し、バンドのサウンドは変化を遂げます。それまであったメタル要素が薄れ、4枚目のアルバムでは新たなサウンドが追求されました。しかし、2009年にはトム・タッカーが新たなギタリストとして加入し、2015年にはデイヴが復帰するなど、メンバーの変動を経てバンドは進化を続けてきました。

日本での人気と数々の話題

Sum 41は日本でも非常に人気があり、サマーソニックなどの音楽フェスティバルにも度々出演しています。映画『ゴジラ FINAL WARS』の挿入歌に『We're All To Blame』が採用されたり、『スパイダーマン』の挿入歌に『What We're All About』が起用されたりするなど、話題性も抜群でした。また、『ファンタスティック・フォー ［超能力ユニット］』の挿入歌『Noots』は、世界各国で数々の賞を受賞しています。

2010年には、ボーカルのデリック・ウィブリーが来日中に暴行を受け負傷するという事件がありましたが、治療後すぐにステージに立ち、ファンを感動させました。

グラミー賞ノミネートと解散発表

2012年には、アルバム『Screaming Bloody Murder』に収録された『Blood In My Eyes』が、第54回グラミー賞の最優秀ハードロック・パフォーマンス賞にノミネートされました。しかし、2023年5月9日には、解散とそれに伴うラストアルバムのリリース、ワールドツアーの開催を発表し、多くのファンを悲しませました。

現メンバー

デリック・ウィブリー (Deryck Whibley)：リードボーカル、リズムギター担当。内気な性格で、アヴリル・ラヴィーンとの結婚・離婚を経て、現在はモデルのアリアナ・クーパーと再婚しています。ギターはフェンダー社のテレキャスターを愛用。
デイヴ・バクシュ (Dave Baksh)：リードギター、ボーカル担当。メタル好きで、バンドのメタル要素を担っていました。2006年に脱退しましたが、2015年に復帰しました。
ジェイソン・マクキャスリン (Jason McCaslin)：ベースギター、ボーカル担当。メンバーの中で最も高身長で、冷静な分析力を持つ。時折ボーカルも担当し、ピック弾きでベースを演奏します。
トム・タッカー (Tom Thacker)：リードギター、キーボード、ボーカル担当。2007年にツアーギタリストとして加入し、2009年に正式メンバーとなりました。
フランク・ズーモ (Frank Zummo)：ドラムス担当。2015年にスティーヴの後任として加入しました。

旧メンバー

マーク・マカダム (Mark McAdam)
グラント・マクヴィティ (Grant McVittie)
マーク・コスタンゾ (Marc Costanzo)
ジョン・マーシャル (Jon Marshall)：脱退以来、消息不明となっています。
リチャード・ロイ (Richard Roy)
マーク・スピコラック (Mark Spicoluk)
スティーヴ・ジョクス (Steve Jocz)：ドラムス、ボーカル担当。2013年に脱退しました。

ディスコグラフィー

アルバム
All Killer No Filler (2001年)
Does This Look Infected? (2002年)
Chuck (2004年)
Underclass Hero (2007年)
Screaming Bloody Murder (2011年)
13 Voices (2016年)
Order In Decline (2019年)
Heaven :x: Hell (2024年)

コンピレーション・アルバム/EP
Half Hour of Power (EP、2000年)
Happy Live Surprise (ライヴ盤、2005年)
ザ・ベスト・オブ・Sum 41 (ベスト盤、2008年)

シングル
Makes No Difference (2000年)
Fat Lip (2001年)
In Too Deep (2001年)
Motivation (2002年)
Handle This (2002年)
What We're All About (2002年)
Still Waiting (2002年)
The Hell Song (2003年)
Over My Head (Better Off Dead) (2003年)
We're All To Blame (2004年)
Pieces (2005年)
Some Say (2005年)
No Reason (2005年)
March Of The Dogs (2007年)
Underclass Hero (2007年)
Walking Disaster (2007年)
With Me (2008年)
Screaming Bloody Murder (2011年)
Baby You Don't Wanna Know (2011年)
Blood In My Eyes (2012年)
Fake My Own Death (2016年)
War (2016年)

ビデオ・DVD
Introduction to Destruction (2001年)
Cross Your T's and Gouge Your I's (2002年)
Sake Bombs and Happy Endings (2004年)
Underclass Hero (2007年)

その他

アルバム『Chuck』は、コンゴでの内戦に巻き込まれた際に救出してくれた国連職員の名前が由来。
デリックのシグネイチャーモデルのギターがスクワイア社より発売。
2003年から2005年まで、オールナイトニッポンでジングルが使用されていた。
『Underclass Hero』の特典DVDには、日本盤のみ”Road to Ruin Episode #10”が収録。
2010年、ボーカルのデリックが来日中に暴行を受ける。

挿入歌としての使用

スパイダーマン
ゴジラ FINAL WARS
ファンタスティック・フォー ［超能力ユニット］
チアーズ!
アメリカン・サマー・ストーリー
アメリカン・パイ3 ウエディング大作戦
クールボーダー
ゾルタン★星人
* 12人のパパ

Sum 41は、その音楽性だけでなく、メンバーの個性が際立ったバンドとしても記憶されるでしょう。解散は残念ですが、彼らの音楽は今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。

もう一度検索