チャップリンの移民

『チャップリンの移民』（The Immigrant）は、喜劇王チャールズ・チャップリンが監督・主演を務めた、ミューチュアル社における11作目のサイレント映画として1917年に公開されました。共演にはエリック・キャンベル、エドナ・パーヴァイアンス、ヘンリー・バーグマンらが名を連ねています。

この作品は、チャップリンの未公開映像を紹介するドキュメンタリー『知られざるチャップリン』によって、その制作過程の一端が明かされています。当初、物語の舞台はパリのカルティエ・ラタンにあるカフェに設定され、実際にカフェの場面が先行して撮影されました。しかしその後、舞台はアメリカへと変更され、カフェにいる放浪者であるチャップリンがヨーロッパからの移民であるという設定が加えられたのです。

映画の中で、チャップリンが移民管理官の尻を蹴る場面があります。このシーンは、1952年にチャップリンがマッカーシーの赤狩りの影響でアメリカを追われた際、彼の反米的な思想を示す証拠として扱われました。

しかしながら、本作は映画史における重要な作品として高く評価されており、1998年にはアメリカ議会図書館によってアメリカ国立フィルム登録簿に登録されました。これは、「文化的、芸術的、歴史的に重要である」と認められた証であり、映画は永久保存されることとなりました。

キャスト

移民：チャーリー・チャップリン
移民：エドナ・パーヴァイアンス
エドナの母：キティ・ブラッドベリ
船酔いに苦しむロシア移民・カフェの客 (二役)：アルバート・オースチン
太った農婦・カフェの画家 (二役)：ヘンリー・バーグマン
農婦の夫：ロイヤル・アンダーウッド
強面のウェイター：エリック・キャンベル
船員・カフェの客 (二役)：ジェームズ・T・ケリー
船員・無銭飲食の客 (二役)：ジョン・ランド
カフェのオーナー・航海士・博打打ち (三役)：フランク・J・コールマン
結婚登記所の役人：トム・ハリントン
ヴァイオリニスト：ウィリアム・ギルスビー
移民：ジャネット・ミラー・サリー
詐欺師：スタンリー・J・サンフォード
* 博打打ち：トム・ウィルソン

日本語吹替

初回放送は2014年12月7日にスター・チャンネルで行われました。この作品はサイレント映画ですが、チャップリンのデビュー100周年を記念して、日本チャップリン協会の監修のもと、日本語吹替版が製作されました。

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