チャドラーバリーン・ロドイダムバ

チャドラーバリーン・ロドイダムバ

チャドラーバリーン・ロドイダムバ（Chadraabalyn Lodoidamba, 1917年 - 1970年）は、モンゴル国の小説家です。ゴビ・アルタイ県出身で、モンゴルの文学界に大きな足跡を残しました。日本語では「チャドラーバリイン」や「ロドイダンバ」と表記されることもあります。妻は芸術家のЧимидийн Долгорсүрэнです。

生い立ちと初期の活動

ロドイダムバは牧畜民の家庭で次男として生まれました。幼い頃から父親の影響でモンゴル民話に親しんで育ち、それが彼が小説家を志す原点となりました。

1945年に短篇小説『帽子をかぶった狼（Малгайтай чоно）』でデビューを果たし、作家としてのキャリアをスタートさせました。この作品は彼の初期の代表作の一つとされています。

1954年にはモンゴル国立大学を卒業し、知識人としての素養も身につけました。

主な作品

ロドイダムバは、短篇小説、中編小説、長編小説、戯曲など、幅広いジャンルの作品を執筆しました。彼の作品は、モンゴルの自然や人々の生活、社会の変化をテーマにしたものが多く、読者に深い感動を与えています。

1945年、短篇小説『帽子をかぶった狼（Малгайтай чоно）』
1947年、短篇小説『Мялзангийн цагаан өвгөн』
1949年、長編小説『アルタイにて（Алтайд）』
1952年、中編小説『私たちの学校（Манай сургуулийнхан）』
1956年、短篇小説『Өнгөрсөн үеийн баатрын өнөө үеийн явдал』
1968年、戯曲『Гарын таван хуруу』
1971年、長編小説『清きタミル川（Тунгалаг тамир）』 - 死後刊行
1977年、選集『Түүвэр зохиол』 - 死後刊行

特に、長編小説『清きタミル川』は彼の代表作として知られており、死後に刊行されたにもかかわらず、多くの読者に愛されています。

日本語訳

ロドイダムバの作品は、日本語にも翻訳されています。以下はその一部です。

『恋と嫌悪：モンゴル短編集』(阿比留美帆訳, 2017)
「帽子をかぶった狼」 (荒井伸一訳, 1984)
* 『私たちの学校』(タニヒロユキ訳, 2017)

これらの翻訳を通じて、日本の読者もロドイダムバの作品に触れることができます。

評価と影響

チャドラーバリーン・ロドイダムバは、モンゴル文学の発展に大きく貢献した作家として高く評価されています。彼の作品は、モンゴルの文化や社会を深く理解するための貴重な資料であるとともに、普遍的な人間ドラマとして、多くの読者の心に響いています。

彼の作品は、後世の作家たちにも大きな影響を与え、モンゴル文学の重要な一部として、その名を残しています。

もう一度検索