チャド・ジョンソン (アメリカンフットボール)

チャド・ジョンソン：異才を放った元NFLワイドレシーバー

チャド・ジョンソン（Chad Johnson、1978年1月9日 - ）は、その卓越した才能と、型破りなパフォーマンスでNFLファンを魅了した元アメリカンフットボール選手です。シンシナティ・ベンガルズを中心に、ワイドレシーバーとして活躍し、6度のプロボウル選出、4度のオールプロ選出という輝かしい実績を誇ります。

生い立ちとNFL入りまで

フロリダ州マイアミで生まれたジョンソンは、高校卒業後、ラングストン大学、サンタモニカカレッジを経て、オレゴン州立大学に進学。2001年のNFLドラフト2巡目でシンシナティ・ベンガルズに入団しました。

大学時代には、後にカロライナ・パンサーズで活躍するスティーブ・スミスとチームメイトでした。また、オレゴン州立大学では、後にベンガルズでもチームメイトとなるT・J・フーシュマンザーデと共にプレーしました。

シンシナティ・ベンガルズでの活躍

ベンガルズ入団後、ジョンソンは瞬く間にチームの中心選手へと成長します。2年目には先発に定着し、2003年には当時のチーム記録となるシーズン1,355ヤードを獲得。2004年には95回のキャッチで1,274ヤード、9タッチダウンを記録しました。2005年には1,432ヤードを獲得し、自身のチーム記録を更新。4シーズン連続でAFCのレシービングヤードトップとなり、2003年から2007年まで5年連続でプロボウルに選出されました。

2006年にはサンディエゴ・チャージャーズ戦で260ヤードを獲得、2タッチダウンと1試合でのチーム記録を更新。翌週のニューオーリンズ・セインツ戦でも190ヤードを獲得、3タッチダウンをあげ、チームを勝利に導きました。この2試合での450ヤード獲得は、当時のNFL記録を更新するものでした。

2007年にはボルチモア・レイブンズとの開幕戦で、タッチダウン後に「Future H.o.F 20??」と書かれたジャケットを着用し、将来のプロフットボール殿堂入りを予告するパフォーマンスを見せました。

ニューイングランド・ペイトリオッツ、そしてマイアミ・ドルフィンズへ

2011年、ジョンソンはニューイングランド・ペイトリオッツへ移籍。しかし、ここでは期待されたほどの活躍は見せられず、2012年にはマイアミ・ドルフィンズへ移籍しました。ドルフィンズでは、家庭内暴力事件を起こし、チームから解雇されるという不名誉な結果となりました。

プレースタイルとパフォーマンス

ジョンソンは、その卓越した運動能力とキャッチング技術に加え、個性的なキャラクターでファンを魅了しました。タッチダウン後のパフォーマンスは彼の代名詞とも言え、NFLからの罰金を恐れずに様々なパフォーマンスを披露しました。

例えば、審判に1ドル札を渡すパフォーマンスや、メキシコの民族衣装を身に着けてフィールドに登場するなど、その奇抜な行動は常に話題を呼びました。

改名騒動

ジョンソンは、2008年に背番号85にちなんで「チャド・オチョシンコ（Chad Ochocinco）」に改名したことでも知られています。これはスペイン語で85を意味する「Ochenta y cinco」に由来するもので、彼のユニークな個性を象徴する出来事でした。その後、結婚を機に再びチャド・ジョンソンに本名を戻しています。

引退後

現役引退後、ジョンソンはボクシングに挑戦するなど、新たな分野でも活躍を見せています。2021年には、フロイド・メイウェザー・ジュニア対ローガン・ポール戦の前座でエキシビションマッチに出場しました。

チャド・ジョンソンは、その類まれなる才能と破天荒なキャラクターで、NFLの歴史に名を刻んだ偉大な選手の一人です。彼のプレーは、多くのファンに感動と興奮を与え、今もなお語り継がれています。

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