チャド・マイケル・マーレイ

アメリカ合衆国ニューヨーク州バッファロー出身の俳優、チャド・マイケル・マーレイは、1981年 8月24日に誕生しました。

俳優としての歩み

彼のキャリアはモデルから始まりました。奨学金を得てオーランドで開催されたモデルコンベンションに参加したことがきっかけで、エージェントからロサンゼルス行きを勧められます。その後マネージャーを見つけ、1999年にハリウッドへ拠点を移し、スケッチャーズ、トミーヒルフィガー、グッチといった有名ブランドのモデルとして活動しました。

俳優としての転機は2000年に訪れます。MTVのドラマシリーズ『アンドレスド』にゲスト出演した後、人気ドラマ『ギルモア・ガールズ』シーズン1に、富裕層の青年トリスティン役で準レギュラーとして登場。シーズン2にも数エピソード出演し、シリーズの成功と共にチャドの名が広く知られるようになりました。

2003年、彼は映画界に進出します。リンジー・ローハンとジェイミー・リー・カーティスが共演したコメディー映画『フォーチュン・クッキー』では、主人公の相手役ジェイクを演じました。本作は、1972年に出版されたディズニーによる同名児童書の3度目の映像化作品であり、批評家からも好評を得、興行面でも全世界で約1億1600万ドルの収益を上げる大ヒットとなりました。

同年の後半には、The WB系列のテレビシリーズ『ワン・トゥリー・ヒル』で主人公ルーカス・スコット役に抜擢されます。特に第1シーズンの最終回は450万人が視聴するなど、高い注目を集めました。『ワン・トゥリー・ヒル』はThe WBでも屈指の成功を収めた番組となり、後にThe WBがUPNと合併して誕生したCWテレビジョンネットワークでも引き続き放送され、その人気を持続させました。このシリーズでの演技は、ティーン・チョイス・アワードで合計6部門にノミネートされる評価を受け、2004年にはテレビ部門のブレイクアウト・アクター賞、2008年にはドラマ部門のテレビアクター賞を獲得するなど、数々の賞に輝きました。シリーズの人気によって、共演者たちと共にマスターカード、Kmart、シンギュラー・ワイヤレス、シボレー・コバルトといった企業の公式アンバサダーに選ばれるなど、その影響力は多岐にわたりました。

2004年には、ヒラリー・ダフと共演したロマンティック・コメディ映画『シンデレラ・ストーリー』で主演を務めました。この映画は全世界で7000万ドルの興行収入を記録するヒットとなりましたが、批評家からの評価は厳しいものでした。それでも、本作によりチャドはティーン・チョイス・アワードの映画部門でブレイクアウト・アクター賞を受賞し、2005年の同アワードでも複数の賞にノミネートされました。彼はこの年、テレビ部門と映画部門の両方でブレイクアウト・アクター賞を制覇した初めての俳優となりました。また、2004年11月には、雑誌『ピープル』が選ぶ「テレビの中のセクシーな男性」の一人にも挙げられています。

2008年にはAOLが選ぶ「テレビの中のいい男50人」の一人にも選出されました。

2009年5月、『ワン・トゥリー・ヒル』の第7シーズンには出演しないことが報じられました。自身はファン向けのビデオメッセージで、番組側がギャラ削減のため復帰を歓迎していないと説明しましたが、一方で番組クリエイターのマーク・シュヴァーンはインタビューで、彼に「素晴らしい」オファーを提示したと述べており、双方の説明には食い違いが見られました。

その後も精力的に活動を続け、2013年10月にはアクション・スリラーのテレビドラマシリーズ『チョーズン：選択の行方』への参加が発表されました。主人公ジェイコブを演じたセカンド・シーズンは同年12月から、サード・シーズンは2014年4月から放送されました。

2015年の映画『アザー・ピープルズ・チルドレン』では主演の一人を務め、コロンビア・ジョージ国際映画祭でベスト・オブ・フェスティバル賞を受賞しました。この作品で彼はホームレスのヘロイン中毒者という難役を演じ、役作りのために11kgの減量を行ったことでも話題となりました。3週間半にわたり、1日に3000キロカロリーを消費するトレーニングを行いながら、食事は1400～1600キロカロリー程度に抑え、オートミール、卵白、サラダ、鶏肉、マグロといったメニューを中心に摂取したといいます。

2021年には、アメリカのシリアルキラー、テッド・バンディを題材にした映画『テッド・バンディ：アメリカン・ブギーマン』でテッド役を演じ、新たな一面を見せました。

2022年6月には、カナダのテレビドラマシリーズ『サリヴァンズ・クロッシング』（ロビン・カーの同名小説シリーズ原作）で主役の一人を務めることが発表され、2023年3月からCTVテレビジョンで放映が開始されました。

2024年にはNetflixオリジナル映画『マザー・オブ・ザ・ブライド』に出演。ブルック・シールズ演じる主人公の恋の相手役を演じ、この映画は公開直後から多くの国でNetflixの視聴ランキング上位10位内に入る人気となりました。

私生活

チャド・マイケル・マーレイは、2005年4月にドラマ『One Tree Hill』で共演した女優ソフィア・ブッシュと結婚しましたが、5ヶ月後に結婚を解消しました。その後、『One Tree Hill』のエキストラだったKenzie Daltonと婚約しましたが、2013年に破局が報じられました。

2014年には、テレビシリーズ『チョーズン：選択の行方』で共演したサラ・ローマーとの交際を開始し、2015年に結婚。同年には第一子となる男児が誕生しました。続けて2017年には第二子女児、2023年には第三子女児が生まれており、現在は三児の父として家庭を築いています。

モデルから俳優へと転身し、若手スターとして一時代を築いた後も、多様なジャンルの作品で活躍を続ける俳優です。

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