チャプリナ

チャプリナ：ボスニア・ヘルツェゴビナの自然と歴史が息づく町

チャプリナは、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部に位置し、クロアチアとの国境に接する基礎自治体です。ヘルツェゴビナ・ネレトヴァ県に属し、アドリア海から約20キロメートル内陸に位置しています。ネレトヴァ川が市域を流れ、肥沃な土地と豊かな自然を育んでいます。

歴史

チャプリナの歴史は古く、紀元前5世紀にはローマ人によって町が築かれました。古代にはイリュリア人が居住し、ギリシア人との交易を行っていました。町の名前は、南スラヴ語でサギを意味する「čaplja」に由来すると言われています。

第二次世界大戦中、チャプリナ周辺では悲惨な出来事が起こりました。ウスタシャによる虐殺が行われ、多くのセルビア人が犠牲となりました。プレビロヴツィ虐殺はその代表的なもので、集落の住民を含む多数の人々が殺害されました。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争（1992年～1995年）中、チャプリナはクロアチア防衛評議会の支配下に置かれ、非クロアチア人住民の強制退去や収容所への収容が行われました。

地理と自然

チャプリナは、ネレトヴァ川が流れる肥沃な土地に位置し、農業が盛んです。また、ヨーロッパ有数の野鳥の多様性を誇るフトヴォ・ブラト自然公園が市内にあり、自然愛好家にとって魅力的な場所となっています。

文化と観光

チャプリナには、トミスラヴ王の像やアッシジのフランチェスコ聖堂など、歴史的な建造物があります。また、ポチテリの歴史的集落は、中世の雰囲気を残す美しい景観が魅力です。近年では、考古学的遺産や手付かずの原生林を活かした農業観光の開発が進められています。

チャプリナ地域には、多くのクロアチア系の文化クラブがあり、地域の文化活動を支えています。

経済

チャプリナは、クロアチア側のメトコヴィチとの経済的な結びつきが強く、両都市間では活発な交流が行われています。

住民

1991年の国勢調査では、ボシュニャク人が多数を占めていましたが、1990年代初期の民族浄化によって追放され、現在はクロアチア人が多数派となっています。ただし、1991年以降、国勢調査が行われていないため、正確な人口構成は不明です。

チャプリナは、ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史と自然、文化が融合した魅力的な町です。紛争の歴史を乗り越え、未来に向けて発展していくことが期待されています。

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