チャン・リーメイ

チャン・リーメイ（1982年2月2日 - ）は、日本を拠点に活動する女優、声優です。エルアンドエル・ビクターエンタテインメントに所属し、その才能を多岐にわたる分野で発揮しています。旧名は豊原里美（とよはらさとみ）。

生い立ちと背景

神奈川県横浜市出身のチャン・リーメイは、芸術を愛する家庭で育ちました。父親はピアノとフルートを、母親は絵を描くことを、弟はピアノを趣味としており、幼い頃から芸術に囲まれた環境で育ちました。

子供の頃は人見知りな性格でしたが、コナミのゲームキャラクターであるKONISHIKIやショベルカーに憧れるなど、ユニークな一面も持っていました。ピアノ、新体操、ヴァイオリン、そろばんなど様々な習い事を経験しましたが、どれも自分には向いていないと感じていたそうです。しかし、小学3年生の時に女優になることを決意し、その道を志すようになりました。

家族の影響は大きく、テレビは大河ドラマや世界名作劇場、教育テレビしか見せてもらえず、流行のゲームも禁止されていました。その代わりに、たくさんの本を与えられ、クラシックコンサートにも頻繁に連れて行ってもらい、自然に触れ合う機会も多く与えられました。小学校時代には、絵日記がクラスで大爆笑を呼んだことがきっかけで、周囲を盛り上げる役割を担うようになったそうです。

演劇との出会いと大学時代

中学1年生から高校2年生までの5年間は演劇部に所属し、照明や音響も担当しました。高校2年生になると、出演だけでなく演出も手掛けるようになり、山本周五郎の『柳橋物語』や『夕鶴』などを上演しました。進路については、「勉強は必ずしもする必要はない」と考え、演劇科のある大学に進学するか、劇団に入るか、事務所に所属するかという選択肢しかありませんでした。両親は当初、演劇部への入部には反対していましたが、最終的には桐朋学園芸術短期大学演劇専攻への進学を認めました。

しかし、大学では授業に馴染めず、「自分は学校に向いていない」と感じるようになりました。それでも、声の出し方などの技術的な指導は、初めてプロから本格的に教わる貴重な機会となりました。2年生からは、芝居の実技が楽しくなり、柴田光太郎の演出で芝居を制作しました。卒業後の進路については、役者として最初は苦労するのは当然だと覚悟し、アルバイトをしながら好きな演劇を続けるという漠然としたイメージを持っていました。

大学時代は、自分の演技に納得がいかず、将来のビジョンを見つけられないまま、コンプレックスを抱えていました。先生からは「自分の中で起きていることが、自分の中で止まっている」と指摘され、声優を始めてからその意味を理解したそうです。

キャリアの転換

短大卒業後は、劇団に入ることも、ミュージカルや映像の道に進むこともなく、喫茶店でアルバイト生活を送っていました。しかし、オーディションを受けた際に、試験監督をしていた先輩から舞台出演のオファーを受け、初めて舞台に立ちました。その後、3年ほどその劇団の芝居に出演し、両親も観に来て応援してくれました。商業演劇の舞台では、与えられた枠の中でいかに遊ぶかが重要だと感じ、稽古で遊び、本番で爆発させるということを学びました。

小劇場で片言の女子アナ役を演じていたところ、観客として来ていたセッティング会社の関係者から勧められ、『家庭教師ヒットマンREBORN!』のイーピン役で声優デビューを果たしました。声優の仕事は、いきなり台本を渡されてアテレコをするという状況で、最初は戸惑いましたが、周りの声優に助けられながら必死にこなしました。アニメの仕事をするようになってから、アニメを見るようになり、声優という仕事に誇りを持つようになりました。

ブログと音楽活動、そして苦難

2005年からは、BIGLOBEのブログ企画に参加し、金井アヤとともに全国を旅しました。また、2010年からは『MATOMANIA』のヴォーカリストとして音楽活動も開始し、作詞・作曲も手掛けました。

しかし、ロマゾフィー協会の総師範を務めていたことがきっかけで、同協会の代表者夫婦の逮捕を受け、2010年9月に芸能活動を一時自粛することになりました。その後、警察の捜査により、協会主催夫妻以外の会員は被害者であると判断され、一部の仕事を2010年12月に再開し、2011年には全ての業務を再開しました。

人物像と才能

チャン・リーメイは、舞台の仕事と声優の仕事で意識を切り替えており、アニメの仕事ではテンションを高めに、舞台の仕事では表情や目の動きなど全身を使って表現することを意識しています。オーディションでは、役柄に近づけるように努力し、自分なりの遊び心を大切にしています。演技をする上で、素晴らしい女優や声優の演技を真似ることで、呼吸や間を学び、コツを掴むようにしています。

趣味はプロレス観戦で、特にドラディションを好んで観戦しています。特技は歌、ピアノ、絵、アクション、料理で、英国認定オーラソーマプラクティショナーの資格も持っています。高校時代は芥川龍之介や谷崎潤一郎などの日本の文学作品を愛読し、その影響で人生について深く考えるようになったそうです。

チャン・リーメイは、その多才な才能と努力で、今後ますます活躍の場を広げていくことでしょう。

もう一度検索