チャールズ・ネスビット・ウィルソン

チャールズ・ネスビット・ウィルソン

チャールズ・ネスビット・ウィルソン（通称チャーリー・ウィルソン）は、1933年6月1日にテキサス州トリニティで生まれ、2010年2月10日に心不全で亡くなったアメリカの政治家です。元アメリカ海軍士官であり、テキサス州選出の連邦下院議員を務めました。

人物像

陽気でパーティー好きの人柄から、地元新聞に「グッドタイム・チャーリー」というあだ名をつけられるほど親しまれていました。その一方で、冷戦時代には、CIA史上最大の極秘作戦を指揮した英雄としても知られています。

ウィルソンは、旧ソ連のアフガニスタン侵攻に対抗するため、下院の国防歳出委員会メンバーとして、CIAによるアフガニスタンへの秘密支援予算の大幅増額を主導しました。当初500万ドルだった支援額は、7年の間に10億ドルにまで膨れ上がり、最終的には数十億ドルという巨額の資金が投入されました。

この資金により、アフガニスタンのイスラム武装勢力ムジャーヒディーンは、最新の武器を手に入れ、ソ連軍を撤退に追い込むことに成功しました。この功績から、ウィルソンはソ連のアフガニスタン撤退を決定づけた影の功労者として、CIAから文民としては初めて功労賞を秘密裏に授与されました。

この一連の出来事は、2007年に映画『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』として映画化され、広く知られることとなりました。

論争

しかし、ウィルソンの行ったアフガニスタンへの軍事支援は、後にアメリカにつきまとう災いの種となってしまいました。ウィルソンが支援したアフガニスタンの軍閥は、現在、国際テロ組織アルカイダなどと繋がりのある危険なイスラム原理主義者とみなされています。その中には、グルブッディーン・ヘクマティヤール元首相や、タリバンのジャラルディン・ハッカニ司令官などが含まれています。

アメリカ同時多発テロ事件後も、ウィルソンは「我々は悪の帝国（旧ソ連）と戦っていたのだ。当時、タリバンなんて名前を知っていた人間はいただろうか？」と述べ、自身の行動を悔いることはありませんでした。

死去

2010年2月10日、テキサス州の病院で心不全のため亡くなりました。

外部リンク

United States Congress. "チャールズ・ネスビット・ウィルソン (id: W000570)". Biographical Directory of the United States Congress (英語).

もう一度検索