チュアブルソフト

チュアブルソフト：キスから始まる物語を紡いだ美少女ゲームブランド

チュアブルソフトは、かつて存在したアダルトゲームブランドです。茨城県水戸市を拠点に、個性的な作品を世に送り出していました。

沿革：同人サークルからブランドへ

始まりは、高校時代からの知り合いであるセバス、草壁よしお、ぎん太の3名が結成した同人サークル「TABLET」でした。2003年には伝奇物の同人ゲーム『茜の空に月を見る』を制作しています。

2004年、音楽担当のけんせいを加え、満を持してチュアブルソフトを立ち上げます。その後、ゼネラルマネージャーのぽちとグラフィッカー2名を加え、6名体制となりました。2005年2月11日には、デビュー作『Pure×Cure』をリリース。ブランド設立当初はパートナーブランドに加盟していましたが、後に独立を果たします。

ブランド発足時は東京都千代田区に本拠地を構えていましたが、2006年7月には茨城県水戸市に会社と開発室を移転しました。

東日本大震災の影響と再始動

2011年3月の東日本大震災では、水戸市の開発室も被災。開発中だった『アステリズム』の舞台設定が震災の影響を想起させる内容だったため、一時開発が凍結されました。しかし、同年6月には開発が再開され、ディレクター兼法務担当のイシダ（石田真規）が有限会社くくりの代表取締役に就任することが発表されました。

音響制作部門であるSilver Seats Studioは震災後も早期に復旧し、業務を継続。しかし、2011年5月にはけんせいがチュアブルソフト/有限会社くくりを退社し、Silver SeatsブランドはSilver Seats Recordsとして独立しました。東京都墨田区錦糸町にある収録スタジオはチュアブルスタジオと改称され、引き続きチュアブルソフトの施設として稼働しました。

その後、プロデューサーにひかげ、ディレクターにBashi@めろん。を起用し、2012年12月には新生チュアブルソフトとして、原画家・シナリオライターを一新した新作『ラブらブライド』の制作を発表しました。

解散

2013年4月には、それまでの作品の原画を担当していたぎん太が退職を発表。2017年6月7日、東京地方裁判所の破産手続開始により有限会社くくりは破産し、2018年3月2日に破産手続が終結、会社は消滅しました。

ブランド名の由来と特徴

チュアブルソフトというブランド名は、「噛める錠剤」を意味する英語の「chewable」をもじったものです。「Chu→ちゅー→キス+able→できる」という意味が込められており、「キスができる」というコンセプトが反映されています。マスコットキャラクターの名も、当初は「ちゅあぶる子（仮）」でしたが、「キス+カ→可」という意味からキスカと命名されました。

ブランドの特徴は、出会いからキスに至るまでの関係性を丁寧に描写するシナリオにあります。専属原画家であるぎん太は、キャラクターの髪型や服装をシチュエーションに応じて細かく描き分けるなど、細部にまでこだわった演出が特徴でした。一枚絵のイベントCGよりも、通常シーンの立ち絵のパターンに力を入れており、多彩なポーズや表情が魅力でした。また、水彩のように淡い塗りも特徴的です。

声優の起用においては、プロダクション会社に委託せず、開発スタッフ全員でオーディションを行うことが多かったようです。ファンクラブ会員を対象としたオーディション投票も実施するなど、ファン参加型のキャスティングも行っていました。

ニコニコ動画には公式アカウントを開設し、自社関連情報や地元の紹介動画などを配信していました。

主なスタッフ

元代表取締役・法務担当：イシダ（石田真規）
プロデューサー：ひかげ
ディレクター：Bashi@めろん。
ゼネラルマネージャー：ぽち
グラフィッカー：ワポ吉、まんごープリン（田那辺学）、まゆ
ディレクター/シナリオライター：草壁よしお
サウンドエンジニア：はづき（チュアブルスタジオ管理）

Silver Seats Records

Silver Seats Recordsは、元々チュアブルソフトの音楽レーベルでしたが、後に独立しました。代表はけんせい。チュアブルソフト以外にも、『その横顔を見つめてしまう〜A Profile 完全版〜』、『魔法少女ナユタ』、『リリミエスタ』などに楽曲を提供しています。

関連情報

チュアブルソフト公式サイト
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チュアブルソフト公式Twitter
* Silver Seats Records

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