チュチュ (バレエ)

チュチュとは

チュチュ（tutu）は古典バレエの舞台衣装で、主にバレリーナが着用するスカート状の衣装として知られています。19世紀前半に初めて登場し、19世紀の終わりごろにはロマンティック・ドレスの代わりとして定着しました。この衣装はロマンティック・バレエやクラシック・バレエのスタイルに応じて異なるタイプが存在し、ロマンティック・チュチュとクラシック・チュチュに大別されます。ロマンティック・チュチュは踝丈で軽やかに動ける特徴があり、クラシック・チュチュは膝丈でよりしっかりとした作りになっています。

語源

チュチュという名前は、もともと両脚の間を覆う小さなペチコートを指す言葉であり、フランス語の「Cucu（キュキュ）」から派生しています。この言葉が転じて「可愛いお尻」という意味を持ち、最終的にはチュチュという衣装名になりました。この名称は子供の言葉として使われることもありました。

構成

チュチュは大きく分けて、ウエストバンド（バスク）とスカートから構成され、スカートのデザインは単一層ではなく複数の布地で作られることが特徴です。特にクラシック・チュチュは下着状のツン（パンツ部分）が存在します。ボディスは生地のパネルをいくつか組み合わせて作り、着用する際には肩紐などで支える必要があります。このボディスは様々な素材で作られ、デザインや機能性に応じた選択が行われます。

スカートとそのデザイン

チュチュのスカートはその形状によってバレエ全体の印象を決定づけます。クラシック・チュチュのスカートは、通常、タックと呼ばれる技法で硬さを与えられ、数層の軽い布地が重ねられています。タックの手法にはシングルとダブルがあり、ダブルの方がより硬いスカートが作られます。

また、チュチュのスカートは、素材によって異なり、通例としてオーガンジーやチュール布が用いられます。高度な技巧を求めるクラシック・バレエでは、スカート内にワイヤーを仕込んで水平を保つ工夫も行われています。

装飾とその他の要素

特定の役柄に応じて、チュチュには豪華な装飾が施されます。造花や刺繍、ビーズ、スパンコール、さらには染色技術を用いることで、色や質感を変える演出が行われることもあります。さらに、チュチュに合わせて作られた小道具や装飾も多く、文化や演目の特色が反映されています。

チュチュの種類

チュチュには多様なスタイルが存在し、特にロマンティック・チュチュとクラシック・チュチュが代表的です。ロマンティック・チュチュは軽やかで、自由な動きが可能であるため、作品によっては主役の衣装として使用されます。一方、クラシック・チュチュは技術的な要求に応えるため、ボディスが身体にフィットし、スカートは硬さを持っています。

このように、チュチュはその歴史とデザインの多様性から、バレエにおいて欠かせない存在であると言えるでしょう。

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