チュルニ・ヴルフ天文台

チュルニ・ヴルフ天文台（Črni Vrh Observatory、Observatorij Črni Vrh）は、スロベニア西部に位置する天文台で、イドリヤに近いチュルニ・ヴルフという村にあります。標高730mに位置しており、冬季には特に観測に適した環境であることから、天体観測の拠点として利用されています。現在の天文台は、1985年にボランティアの手によって建設されましたが、その歴史はさらに遡り、1975年から、この地では自作の観測機器を用いた観測が継続的に行われてきました。

天文台は、リュブリャナ大学の天文学研究者にとっても重要な観測拠点となっています。研究者たちは、この天文台を使用して、様々な天体現象の観測や研究を進めています。

この天文台では、スロベニア語の略語でPICAと呼ばれる彗星・小惑星探査計画が実施されています。この計画は、2003年3月から開始され、60cm、f/3.3のCichocki望遠鏡にFinger Lake 1k x 1k CCDカメラを取り付けて観測を行っています。このシステムは、効率的な天体探査を可能にし、多くの新発見に繋がっています。

チュルニ・ヴルフ天文台の特筆すべき成果の一つとして、数多くの小惑星の発見が挙げられます。1998年8月23日には、小惑星9674 スロベニアが発見され、2021年現在までに合計437個の小惑星が発見されています。さらに、2008年8月18日には、Stanislav Matičičによって彗星C/2008 Q1が発見されるなど、彗星の発見にも貢献しています。

これらの発見は、天文台の研究者や観測者の献身的な努力の結晶であり、天文学の分野における大きな進歩に貢献しています。チュルニ・ヴルフ天文台は、その恵まれた観測環境と高度な観測機器によって、今後も多くの天体発見に貢献することが期待されています。

天文台の公式サイトへのリンクは以下となります。

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