チュルボメカ アルトウステ

アルトゥステエンジンの概要

アルトゥステ（Artouste）は、1947年に初めて運転されたフランスのチュルボメカ製のターボシャフトエンジンです。このエンジンは元々、補助動力装置（APU）としての利用が考えられていましたが、その後、航空機の推進力としても使用されるようになりました。

1950年代に入ると、アルトゥステは特にヘリコプター用の動力源として新たな活路を見出しました。このエンジンは最大300kW（400hp）の出力を持ち、インドのヒンドスタン航空機やイギリスのブリストル・シドレー（正式名：ブラックバーン・エアクラフト）、アメリカのコンチネンタル・モータースにライセンス供与され、多様な機体に採用されました。

アルトゥステのバリエーション

アルトゥステシリーズは、以下のようなさまざまなバリエーションが存在します：

• - アルトゥステ I
• - アルトゥステ II（マーカダウによる拡張型）
• - アルトゥステ II B
• - アルトゥステ II C（出力373 kW, 500 hp）
• - アルトゥステ II C6
• - アルトゥステ III B（出力410 kW, 550 hp）
• - アルトゥステ III D
• - コンチネンタルのXT51、XT72、XT65、XT67

特にアルトゥステ IIは、ターボプロップエンジンとして発展し、2.3:1の減速ギアボックスを介して300 kW（402 hp）の出力が得られました。アメリカのコンチネンタル・アビエーション・アンド・エンジニアリング（CAE）社は本エンジンのライセンス生産を行い、複数のモデルを発表しましたが、いずれも量産には至らず、最終的にはターボシャフトエンジン製造から撤退しました。

搭載機の例

アルトゥステエンジンはさまざまな機体に搭載されました。具体的な例としては:

• - アエロスパシアル アルエット II
• - アエロスパシアル アルエット III
• - アエロスパシアル ラマ
• - アトラス XH-1 アルファ
• - ハンドレページ ヴィクター（補助動力装置として）
• - ホーカー・シドレー トライデント（補助動力装置としてなど）

また、IAR 316や317、モラーヌ・ソルニエ・エペルヴィエなども搭載しています。

アルトゥステ IIIBの特性

特にアルトゥステ IIIBの仕様に関しては、次の特性が見られます：

• - 形式: ターボシャフト
• - 全長: 71.4インチ
• - 直径: 26.25インチ
• - 乾燥重量: 393ポンド

このエンジンは、単段遠心式と単段軸流式の圧縮機を装備し、アニュラー型燃焼室を用いた燃焼器、3段タービンを持ちます。出力は858shpで、回転数は33,500rpmに達します。

まとめ

アルトゥステは、航空機エンジンの進化において重要な役割を果たしたターボシャフトエンジンであり、その多様なバリエーションと性能は、特にヘリコプターの分野での利用を促進しました。アルトゥステおよびその派生型は、航空機エンジンの開発の中で、特に1950年代から70年代にかけての重要な出来事となりました。

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