チュルボメカ

チュルボメカ：フランスを代表するガスタービンエンジンメーカー

チュルボメカ（Turboméca）は、フランスのボルドーに本社を置いていた、小型から中型のガスタービンエンジンおよびターボシャフトエンジンの製造会社です。現在はサフラン・ヘリコプター・エンジンズ（Safran Helicopter Engines）として知られています。ヘリコプター用エンジン分野で特に名高く、航空機や誘導弾だけでなく、陸上車両、産業用、船舶用にもガスタービンエンジンを提供していました。

2001年9月、チュルボメカはスネクマグループ（現在はサフラングループ）の傘下に入り、2016年には社名をサフラン・ヘリコプター・エンジンズに変更しました。日本語表記としては、チュルボメカの日本法人であるターボメカ・ジャパン株式会社（現：サフラン・ヘリコプター・エンジンズ・ジャパン株式会社）による「ターボメカ」も使用されています。

歴史

1938年、ヨーゼフ・シドロフスキーによってチュルボメカは設立されました。1950年には、推力1.6kNの小型遠心式ターボジェットエンジン「パラス」の生産を開始しました。このパラスは、イギリスのブラックバーン・ジェネラル・エアクラフト社やアメリカのコンチネンタル・モーターズ社でも生産されました。

1957年からは、ノール262旅客機向けにバスタンターボプロップエンジンが生産されました。さらに、ロールス・ロイス・チュルボメカ社は1968年に、SEPECAT ジャギュア攻撃機向けのアドーアジェットエンジンを開発・生産するために設立されました。この合弁会社は、アグスタウェストランド EH101、NHI NH90、ウエストランド WAH-64などのヘリコプターに搭載されるRTM322ターボシャフトエンジンの供給も行っています。

エンジン

チュルボメカのエンジンは、主に運転回転域の広い遠心式圧縮機を使用しています。製品名は、ピレネー山脈を構成する山の名前にちなんだものが多いのが特徴です。

ターボシャフト／ターボプロップエンジン

アリエル (Arriel)
アリウス (Arrius)
アルトウステ (Artouste)
アスタゾウ (Astazou)
マキラ (Makila)
TM 333
テュルモ (Turmo)
HAL/チュルボメカ シャクティ (Shakti) - HALとの共同開発
MTR390 - MTU、ロールス・ロイスとの共同開発
RTM322 - ロールス・ロイスとの共同開発

ターボジェットエンジン

マルボレ (Marboré)
パラス (Palas)
アドーア (Adour) - ロールス・ロイスとの共同開発


チュルボメカは、その技術力と革新性により、ガスタービンエンジン分野で重要な役割を果たしてきました。現在ではサフラン・ヘリコプター・エンジンズとして、その伝統と技術は引き継がれています。

関連項目

航空用エンジンメーカーの一覧

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