チューブパニック

『チューブパニック』について

『チューブパニック』は、1984年に日本物産（ニチブツ）から発売されたアーケードゲームです。ゲームは、敵や障害物を避けながら進む擬似3Dシューティングで、プレイヤーは迫り来る敵艦隊を破壊し、最終目標である母艦に辿り着くことを目指します。キャッチコピーとしては、「画面の全てがコンピュータ・グラフィックス圧倒的な美しさとパワーで迫るレーザーディスクを超えたニュー3Dゲーム」というフレーズが使われています。

ゲームの概要

『チューブパニック』では、プレイヤーは特定のレバーとボタンを使って操作します。レバーの上下で自機のスピード調整ができ、左右での平行移動が可能です。ショットボタンを押すことで敵を攻撃し、戦略的にゲームを進めていきます。

このゲームは、高木一郎が企画と作曲を手掛け、藤原茂樹がドット絵のデザインを担当しています。特に印象的なのは、業界初となるゲーム基板の回転機能で、この技術はナムコやセガなどから注目を浴びました。

ストーリー

ストーリーは、果てしないミステリーゾーンに突入するというもので、不気味な敵艦隊がプレイヤーを待ち受けています。コマンドシップで急襲し、様々なチューブ網を突破して母艦を目指すという緊張感のある内容となっています。

開発の背景

本作の開発には、非常に短い3ヶ月の期間が設定されていました。当初、すべてのキャラクターの絵を一定角度回転させて制作することが求められたため、かなりの数のドット絵が必要でした。しかし、藤原はその多さが開発期間に間に合わないと判断し、エンジニアの「S.MIYOSHI」にハードウェアで回転機能の実装を頼みました。この頼み込みによって、業界初の回転機能が実現し、作品の核心部分が強化されました。

また、チューブの奥が円形に暗くなる表現も、同様にハードウェアでの実現が図られています。加えて、本作の基板は、製造元のニチブツが過去にリリースした『ローラージャマー』の未使用基板を元にしており、ここから新たな技術が加えられました。

開発元の誤解

本作のタイトル画面には「©1984 FUJITEK」と表記されていますが、これによりエレベーターメーカーのフジテックとの共同開発があったと誤解されることがあります。しかし実際には、ゲームの開発はすべて日本物産が行ったものであり、フジテックの社名表記とは異なります。最近の移植版ではこの表記も削除されており、正確な情報が示されています。

スタッフ

本作の開発には、特に優れたスタッフが集結しました。ディレクターはH.KITABATAであり、プランナーは高木一郎が担当しました。また、プログラムはK.YAMADA、サウンドは高木一郎や山田良一が手掛け、アートワークは藤原茂樹によるものです。これらの才能が結集したことで、『チューブパニック』はユニークなゲーム体験を提供しました。

『チューブパニック』は、優れた技術と開発者の情熱によって生まれた作品であり、今後のゲーム開発の道しるべとなることでしょう。

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