チョウカイフスマ

チョウカイフスマ（鳥海衾）

チョウカイフスマ（学名：Arenaria merckioides var. chokaiensis）は、ナデシコ科ノミノツヅリ属に分類される多年草です。基本種であるメアカンフスマの変種であり、高山植物として知られています。鳥海山に特産しており、その美しい姿は多くの人々を魅了します。

特徴

チョウカイフスマは、小型の多年草で、全体的にメアカンフスマよりも大型であることが特徴です。茎は株状に密集し、全体に短毛が生えています。葉はやや厚みがあり、無柄で対生します。葉身は倒卵状楕円形で、長さ15-25mm、幅5-10mm程度です。

花期は7月から8月で、直径15mmほどの白い花を咲かせます。花は茎の先端や上部の葉腋に1つずつ付きます。萼は5つに分かれており、萼片の先端はあまり尖っていません。花弁は5個で白色、縁は滑らかです。雄蕊は10個あり、基部は黄色い腺体で囲まれています。雌蕊は3個です。果実は蒴果で、成熟すると先端が6つに裂けます。

分布と生育環境

チョウカイフスマは、本州の東北地方、特に鳥海山に固有の植物です。高山帯の砂礫地や岩礫地、岩の割れ目などに生育しています。山形県を代表する花の一つであり、県内の多くの学校で校章に採用されています。かつては旧制山形高等学校の校章にも使用されていました。月山に生育しているチョウカイフスマは、鳥海山から移植されたものと考えられています。

保全状況

環境省のレッドリストでは、チョウカイフスマは絶滅危惧II類 (VU) に指定されており、その保全が重要視されています。生育地の環境変化や減少により、絶滅の危機に瀕しているため、保護対策が求められています。

ギャラリー

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参考文献

佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』、1982年、平凡社
豊国秀夫編『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』、1988年、山と溪谷社
清水建美、木原浩『高山に咲く花 山溪ハンディ図鑑8』、2002年、山と溪谷社
土門尚三『山形県北庄内の植物誌』1999年　自費出版
斎藤正弘『鳥海花図鑑』、2010年、無明舎出版
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

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