チョウコウイトウ

チョウコウイトウ（長江魚鬼）

チョウコウイトウ（長江魚鬼、学名: Hucho bleekeri、中国語: 四川哲羅魚）は、中国の長江上流域に生息するサケ科の淡水魚です。別名として、猫魚、大口魚、花魚、猫児魚、虎嘉魚などとも呼ばれています。

分布

チョウコウイトウは中国固有種であり、以下の地域に分布しています。

長江上流（四川省）
大渡河上-中流（四川省、青海省）
* 漢江上流（陝西省）

これらの地域の中でも、主に砂礫底の急流を好み、標高700–3,300 mの、溶存酸素量が多く（5 mg/l以上）、水温が低い（15℃以下）山間部の河川に生息します。

形態

チョウコウイトウの体色は、背面が暗灰色、腹面が銀白色をしています。体側と鰓蓋には、小さな十字型の斑点が見られます。成魚の全長は72 cmに達します。メスは4歳で性成熟しますが、オスはそれよりも早く成熟します。

食性

稚魚の時期には動物プランクトンや昆虫を捕食しますが、成魚になると魚食性に変わります。

保護状況

IUCN（国際自然保護連合）によると、チョウコウイトウは、ダム建設、道路建設、土壌流出、浚渫などの影響により、生息環境が悪化し、絶滅の危機に瀕しています。法的には保護対象となっていますが、密漁も後を絶たない状況です。

近年の研究では、過去50年間で個体数が50〜80%減少したと推定されており、この減少傾向は現在も続いています。現在の成魚の個体数は、わずか2,000〜2,500匹程度と推定されています。

チョウコウイトウの保護のためには、生息環境の保全、密漁の取り締まり、個体数回復のための繁殖プログラムなどが求められます。この貴重な魚を守るために、早急な対策が必要です。

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