チョボイチ

チョボイチ：江戸時代から続くシンプルなサイコロ賭博

チョボイチ（チョボ一、ちょぼいち）は、日本の伝統的なサイコロ賭博ゲームです。簡潔なルールとスリリングな展開から、古くから親しまれてきました。単に「チョボ」と呼ばれることもあります。

歴史と概要

その起源は江戸時代頃まで遡ると言われています。最も古く、かつ単純なサイコロ賭博の一つであり、中国の古い文献にも賭博に関する記述が見られる「樗蒲（チョボ）」という単語がそのルーツとされています。チョボイチの「一」は、ゲームに使用するサイコロが一つだけであることに由来します。サイコロを増やすと、より複雑な賭博ゲームである「キツネ」や「タヌキ」へと変化します。

ゲームの流れ

チョボイチは、シンプルながらも奥深いゲーム性を持っています。

1. 準備:

サイコロ1個（やや大きめのものが好まれる）
1から6までの数字が六等分に書かれた紙または布（サイコロの目を表示する）
サイコロを振るための道具（壺、ざる、茶碗、丼など）

2. 親の決定:

親を決める方法は地域やグループによって異なります。サイコロを振って、一番大きい目を出したプレイヤーが親になるのが一般的ですが、1の目が出たプレイヤーが親になるローカルルールも存在します。

3. 賭け:

親が決まったら、子は1から6までの数字が書かれた区画にチップを置きます。賭けるチップの数は、個人の判断に任されます。

4. サイコロを振る:

全員がチップを置いたら、親がサイコロを振ります。

5. 勝敗の決定とチップの精算:

出た目の数字に賭けたプレイヤーが勝者となり、賭け金の4倍のチップを受け取ります。他のプレイヤーは賭けたチップを没収されます。

6. 親の交代:

自分のチップの量に応じて、親は交代します。チップが多いプレイヤーが親になることが多いです。

ローカルルールとバリエーション

チョボイチは、地域やグループによってローカルルールが存在します。

払い戻し率: 勝者のチップの払い戻し率は、必ずしも4倍とは限りません。2倍や5倍といったバリエーションが存在する他、敗者にも一定割合のチップを返還するルールもあります。例えば、5と2が出た場合は5％、4と3と1と6が出た場合は4％を返還するといったルールなどが存在します。

親の決め方: サイコロの1の目が出たプレイヤーが親になるといったローカルルールも存在します。

チョボイチの魅力

チョボイチは、シンプルなルールながら、その勝敗の行方はサイコロの運任せです。手軽に遊べる反面、高いリスクとリターンが共存する、スリル満点のゲームと言えるでしょう。江戸時代から続く歴史と、地域ごとのローカルルールが織りなす多様性も、このゲームの魅力の一つです。

参考文献

* 山本卓 著 - 『賭博大百科』（データハウス）

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